氷川きよしの新曲だ。

ハードロック。

「サバイバー」から以降、ポップス路線をどんどん打ち出している氷川きよしの新たなロック曲だ。

彼らしい歯切れの良い鳴りのいい歌声が響く。

 

彼がロック向きだと思うのは、この歯切れの良さだ。

彼の作り出す音楽の中で、ロックは迷いがない。

彼の中の迷いを吹っ切るかのような今回の歌は、サバイバーとはまた違って、もう既にロックを歌うことに何の躊躇も迷いもない真っ直ぐな歌声がロックの王道を行く。

 

楽曲は非常にわかりやすく明快だ。

このわかりやすい音楽というのが、氷川きよしの持ち味で、演歌の頃からの彼の曲は非常にわかりやすく馴染みやすいものが多かった。

この曲もロックでありながら複雑でなく、とっつきやすいメロディーになっている。

 

それほどハイトーンでないメロディーは彼のミドルボイスの甘い歌声が全編を通して使われ、サバイバーとは違う歌声の魅力を醸し出している。

 

新曲は、このロックと「生々流転」というド演歌になっている。

全く違う世界観をそれぞれにしっかり表現できるところに氷川きよしの歌手としての幅広さとスケールの大きさを感じさせる。

ポップスを歌ったことで、ジャンルが広がり、ソウル音楽やジャズなどにも可能性を見出せる。

 

氷川きよしは歌手として間違いなく進化し続けている。