氷川きよしの新曲、「南風」のMVが公開された。

今回の曲は、演歌というよりは歌謡曲。

ポップスまでは行かないが演歌でもない。

楽曲全体の印象は、彼自身が解説するように、非常に明るく前向きな春らしい楽曲である。

また、全体的にポップで明るい色調の音色になっている。

この曲に対しての彼の歌声も非常に軽く明るい。

以前のような低音部の唸りのような響きが全く見られず、非常に軽く歌われている。

各フレーズの語尾の響きの処理の仕方も、完全に抜いてきており、以前の彼の歌い方とは全く違ってきたという印象を持つ。

 

この曲も彼の曲の特徴である、非常にシンプルで歌いやすく、馴染みやすいメロディーになっている。

この気やすさが氷川きよしの持ち味の一つだろう。

シンプルで歌いやすい。

これが大衆に受ける大きな要素の一つだ。

 

ポップスを歌ったことで、彼の音楽表現の仕方が変わったと感じる。

歌声を使った表現に幅が出ている。

また言葉のタンギング、処理の仕方が飛躍的に進歩している。

日本語の扱いに重さがなくなり、全体に軽めのタンギングになっている。即ち、言葉のエッジが軽くなった。また明るい音色に統一されている。

ポップスを歌うことで、余分な力が抜け、非常に自然体の発声になった。

 

まさに新生氷川きよしの新しい時代の始まりだ。

コロナ禍の中でもツアーも開始し、今年も精力的に活動している。

彼が今年、どんな歌にチャレンジして行くのか、非常に楽しみだ。