リトグリの新曲「足跡」が先行配信されている。

16枚目のシングルであり、2020NHK全国学校音楽コンクール、中学生の部課題曲。

 

5人のソロ部分の声の統一感が素晴らしい。

一つのメロディーを5人が歌い繋いでいくのだが、その色彩の統一感が非常に優れている。

メンバーからメンバーへのメロディーラインの受け渡しがスムーズで、一本の線の上に綺麗に5人の音の粒が並んでいく。

 

ハーモニー部分の多重性は言うまでもない。

音の幅になって響きが作り上げられている。

縦刻みのリズムのアタックが綺麗に揃えられながら、前へ前へと音楽が進んでいく。

リトグリの優れている部分は、この縦刻みのリズム感の上に横に歌声を繋いでいくテクニックだ。

縦刻みのリズムが底辺に流れ続ける上を歌声の帯が横へと流れていく。

これが決然とした小気味いい音楽を作り上げる。

 

デュエットからアンサンブル、ハーモニーと段階を追って、音の響きの層が作り上げられていく。

その中心でソロパートの歌声だけが一本の鮮やかな線を描いている。

 

後半からのクライマックスは、エネルギッシュな響きと歌声の掛け合いの世界になっている。

 

最後に響きの中から、一つだけ残る歌声とピアノの音が印象的だ。