素晴らしい!!

その一言に尽きる・

 

今回のTHE FIRST TAKEのページには以下のような文がある。

「撮影は、ペンタトニックスはLAでリモートの撮影、 また、Little Glee Monsterは東京で それぞれ一発撮りの撮影を別々に行い、1つに編集したもの。」

 

アカペラでの一発撮り。

これは大人数になればなるほど難しい。

さらにリモートという離れた場所での撮影であるにも関わらず、彼らの音楽は呼吸一つ乱れない。

リズム、言葉のタンギング、ブレスの位置等。

音楽の全ての要素が一糸乱れぬ形で一致している。

 

リモートの1番の難しさは、音楽に合わせて歌うということにある。

これは、音速というものが存在する限り、微妙なズレを生じるからだ。

だからコーラスやシンフォニーなどを多人数のリモートで収録する時、収録後の編集は容易ではない。

そこには大前提として、皆が同じリズム感を持っているということが重要になる。

さらに撮り直しの効かない一発撮りというハードルが課せられている。

即ち、9人のリズム感、音楽の刻み、タンギング、ブレスの取り方などが、全て一致しなければ、リモートでの一発撮りは成功しない。

しかし、彼女達は、そういうハードルをいとも簡単に飛び越えてしまっている。

世界的なハーモニーボーカルグループPentatonixとコラボした時から、それは十分予想できたことではあるが、

この歌を聴いて、さらに彼女達の進化と完成度が深まっているのを感じる。

 

リトグリはこの1、2年の成長が目覚ましい。

ちょうど少女から女性への転換期でもあり、声帯の成熟が完成され、女性の歌声になったことが響きの安定につながっている。また、メンバーの固定というものも大きく作用していると思われる。

何よりの信頼感は、少々のミスでもお互いが臨機応変にカバーしあえるものであり、調子の悪いメンバーの音色をカバーするという柔軟性も持ち合わせることになる。

何よりの信頼感がこのグループのハーモニーの根幹を為す。

 

この曲は「友を思う気持ち」が込められ、リモートでお互いの存在を感じあいながら歌い、さらに芹奈を思いながらの気持ちの籠もった歌声になっている。

 

リズムの刻みは縦に鋭く正確に、また歌声はビブラートを消したストレートボイスで、直線的でありながらも響きに幅のあるハーモニーになっている。

言葉の拍頭のタンギングが鋭角に入り、メリハリのある音楽になっている。

 

どんな状況でもどんな環境でも、彼らの歌声は不動のものであるということを証明した一曲となっている。

 

本当に素晴らしい。

 

一発撮りの世界は、歌手の魅力をあらためて認識する世界だ。