これも「足跡」に収録されている曲。
この曲は冒頭からリトグリのハーモニーの世界が爆裂だ。
5人で作るハーモニーの世界をこれでもかこれでもかと押してくる。
力強い歌声、正確なハーモニー。
このハーモニーの各パートの距離感が均一で耳に心地よい。
どこかのパートだけが強い、または逆に弱い、ということが一切なく、どのパートの同じだけの声量で主張してくる。
同じ太さのハーモニーの線が5つ存在する。
これが非常に耳に心地よい。
決然とリズムの縦の線をきちっと5人で合わせてくる。
それゆえ、リズムの刻みが非常に正確になり、音楽が太い線で前へ前へと確実に進んでいく。
リズムの揺らぎは全くなく、正確に刻んでいく。
横に流れる音楽はなく、縦へ縦へ、前へ前へと無駄のない音の粒が綺麗に一直線上に並んでいく。
それもどの音の粒も太く大きく立派な粒だ。
シャウト気味な高音部のフレーズに対し、中音から低音もエネルギッシュな音で、それぞれが主張しあって音楽を作り上げている。
低音部がしっかりとしたハーモニーを作り上げるからこそ、高音部は、好きなように自由に歌える。
低音部の強固な土台の上では、どのように高音部が動こうとも音楽の揺らぎはなく、一本太い芯が通った楽曲が展開されていく。
これは5人の実力が均衡していなければ決して描き出せない世界であり、今のリトグリは、メンバーお互いに刺激しあって、それぞれの良さを引き出していくという好循環の関係性が生まれている。
こういう楽曲を歌わせれば、現在の日本で彼女達の右に出るものは恐らくいないのではないだろうか。
というより、これほどのハーモニーの世界を描き出せるボーカルグループは他に見当たらない。
どんどん上手くなる。
彼女達は強力な武器を手に入れたと言える。
リトグリハーモニー世界、真骨頂の一曲である。
