リトグリの新曲だ。

彼女達の持ち味である躍動感に溢れる曲だ。

全体にエネルギッシュなハーモニーが幾重にも交錯して行く作りになっている。

一人一人の歌声が力強く響くソロパートを追いかけるように他の3人の歌声が被さってリトグリの多重ハーモニーが展開されて行く。

この曲を聞く限り、4人と5人のハーモニーの差は感じられない。これだけ4人で力強いハーモニーを展開出来るなら、芹奈がカムバックした時は、さらにハーモニーの重厚感が増すのではないだろうか。

 

メンバーが欠けるというのは、ハーモニーグループの場合、それまでのハーモニーを保つことは容易ではない。しかし彼女達の場合、残ったメンバーの歌声には「リトグリのハーモニーを守る」という毅然とした決意のような力強さを感じる。

 

ハーモニーの正確さ、ソロパートの充実した歌声、躍動感溢れるリズム。

これら全てが彼女達の持ち味であり、多くの聴衆が抱くリトグリの音楽の世界観だ。

この世界観に彼女達は4人でよく応えていると思う。

 

粒の揃った音は聴いていて快感でしかない。

4つの音の粒が力強い一本の線となって進んでいく。

カバー曲の「粉雪」もそうだが、彼女達の音は幅を持って、力強く前へ進んでいく音楽だ。

この力強さ、躍動感が彼女達の多重構造のハーモニーを根底から支えている。

各人の能力の高さが同じレベルであるからこそ得られる世界だ。

 

楽曲「VIVA」は彼女達の持ち味を十二分に生かし切った一曲と言える。

芹奈の復帰がさらにこの楽曲の完成度を上げて行くだろう。