この曲も「世界はあなたに笑いかけている」同様、彼女達の代表曲だ。
この日の演奏では彼女達の5つの歌声がそれぞれ力強いラインで交錯していくのが感じられるような歌声だった。
リトグリのハーモニーの特徴は、5種類の歌声がそれぞれにしっかりした軸を持っていることにある。
ボーカルグループにありがちなメインボーカルの歌声に対して他のパートの歌声がそれに同化するようなハーモニーの作り方ではなく、5つの響きが完全に独立していることが最大の魅力である。
もちろん、彼女達も一体感を現すハーモニーを作るときには、音色も響きもタンギングも合わせてくる。しかし、そうでない部分では、響きも音楽性も独立をし、しっかりと主張する音として独立している。そしてハーモニーを作る場合は、5つの独立した歌声が共鳴したり、離れたりを繰り返しながら、音楽のラインを作っていくのが特徴であると感じる。
そういうハーモニーの作り方の中で、「ECHO」はまさにその特性を生かし、5つの音が独立しながら多重ハーモニーの世界を作り上げていると言える。
それが力強いハーモニーが作れる理由であり、お互いがそれぞれに音楽性と独立性を持っていなければ、ここまでの強いハーモニーを作り出すことは出来ない。
そういう意味で楽曲「ECHO」は彼女達の特性を十二分に引き出した楽曲である。
彼女達の持ち味を生かしきれる楽曲でなければ、これほどのハーモニーの世界を作り出すことは出来ない。
この日の歌声はまさにそういうハーモニーを作り出す集団としての実力を示していた。
今が伸び盛り。
歌えば歌うほど上手くなる。
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