誰もが耳にしたことのあるコカコーラのCMソング。

この曲が流れるたびに「見事」と思っていたのを思い出した。

 

明るく若さに溢れている歌声が冒頭から飛び跳ねている。

そうまさに5つの歌声がボールのように飛び跳ねているのだ。。

主になる歌声はストレートボイス。どのフレーズもビブラートを消したストレートな歌声。

 

ボールのように飛び跳ねていると感じたのは、彼女達の歌声が弾力的でフレーズの語尾の響きが全て上行形になっていからだ。

そう響きが落ちない。

彼女達の誰が歌っても歌声の語尾の響きが上向いている。それゆえ、そのフレーズを受け取って次のフレーズを歌うメンバーも同じように上向きの響きから始まる。

そうやって響きのボールが上向きに跳ね返りながら、次から次へと5人の間を駆け抜けていくのだ。

 

アップテンポの中でもテンポが揺れない。

タンギング(言葉の発音)によってリズムが崩れることがない。非常にエッジの効いた縦型のリズムの音楽が刻まれていく。

リズムやテンポを揺らす要因のビブラートがない。だからと言って、一本調子の歌声なのかと言えば、決してそんなことはない。明るく前向きで何より彼女達が音を楽しんでいる。

彼女達自身が作り上げる音の世界の中で、彼女達自身が歌うことを楽しんでいる。

 

エッジの効いた言葉は非常に明確に音程を鋭角に切り取っていく。

アップテンポの中で音が縦に並んでいく。音色が見事に粒の揃えられたハーモニーの羅列が縦にも横にも幾重にも重なり合って立体的なハーモニーの世界を作り上げていく。

 

アカペラパートは絶品。

リズム、音、音色、エッジ、タンギング。

どれをとっても申し分のない。

 

整えられスッキリしたセンス。

洗練された無駄のない音の世界。

 

それが彼女達の音楽の世界だ。