JPOPの若手が次々参加しているファーストテイク。

緑黄色社会のファーストテイクを聴いた。

緑黄色社会は、男女4人組。メジャーデビューは2018年と活動歴は浅い。

「Shout Baby」は読売・日本テレビ系アニメ「僕のヒーローアカデミア」の第4期エンディングテーマ曲としてタイアップしており、その他の楽曲もCMソングや「スッキリ」のテーマソングなどタイアップ曲が多い。

 

ボーカルの長谷晴子は25歳。一番油が乗ってくる年代だ。

この年代に特徴的な透明感と伸びを十分備えた歌声だ。

チェストボイスからミックスボイス、ヘッドボイスへのボイスチェンジが非常にスムーズで、一貫して歌声の透明性を保っている。

ブレスを多用したウィスパーボイスからの変換もスムーズに行われており、全体の色彩は無色に近い。

ファーストテイクでは、冒頭からアカペラでの歌声になり、彼女の息遣い、ボイスの転換点などが丸見えになるが、どの点をとっても非常にスムーズに行われている。

またファーストテイクに見られがちな集中力の高さが、彼女の歌にも見られ、伴奏が入った後半からの音楽の動きと、前半のアカペラ部分の音楽が対称的で、彼女の歌声の透明性を引き立てる構成になっている。

これがフル伴奏で歌っているMVの歌唱との違いを際立たせる。

MVの場合、この緊張感がなく、もっと全体的にポップな曲調に仕上がっている。それゆえ、彼女の歌声ももう少し色彩が濃くなり、透明感が抑えられる。

ファーストテイクの細く透明的な歌声は、色彩の統一感を生むが、MVでの多彩な色彩に比べると線の細さが目立つ。

 

彼女の場合、伴奏の有無が彼女自身の歌声の色彩に影響を与えるということがわかる。それほど、彼女の歌声が無色に近い為に、バンドの音色に同化した歌声になると言えるのかもしれない。

 

もっと彼女がパワフルに歌うものを聴いてみたいと思った。