ミュージックフェアに出演した3人の「レイニーーブルー」を聴いた。
この日は、その後も音楽番組でも「レイニーブルー」をジェジュンと城田優で歌っている。→前記事
はからずも2組の「レイニーブルー」を聴くことになったが、それぞれの歌手の持ち味が発揮されて興味深かった。この2組の対比については、また後日、記事にしたいと思う。
徳永英明は、完全に歌声が戻ったと感じさせた。
非常に安定した歌声で、声量も伸びも本来のものを取り戻している。
長年のモヤモヤ病を抱えての活動では、明らかに声が落ちたと感じさせる時期もあったが、昨年は非常に精力的にツアーを展開し、ファンを心配させるほどだった。私も実際に彼のコンサートに行ったが、その時よりもさらに今回の歌声は素晴らしいと感じさせるものだった。
きっと多くの困難の陰でたゆまず諦めず練習し続けてきたのであろうということを感じさせる。
唯一無二と称される彼の歌声は、独特の甘さと張り、そして響きを持っている。彼の歌声には倍音が各所で存在し、いわゆる「揺らぎ」というものを感じさせるヒーリングボイスになっている。
その独特の色調が完全に復活していた。
それゆえ、3人のデュエット部分でも彼がメロディーラインを取り、二人がハーモニーをつけるという構成になっていた。これは昨年のNHKでの「うたコン」とは全く違った構成となる。
それだけ彼の声が戻ってきた証拠であり、3人のハーモニー部分でも彼の歌声が消されることなく存在していた。この歌声を挟むように三浦大知と秦基博の歌声もそれぞれの特色をしっかり出していたと言える。
秦基博のソロはやはりこの人のエネルギッシュな面が短いフレーズの中にも存在していた。低音部から始まる冒頭のメロディーラインで上行系に転じた瞬間から、鳴りのいい歌声が響く。またハーモニー部分では徳永の声をしっかりと下から支え、ソフトな低音部がハーモニーの響きに幅を与えた。
三浦大知は、ソロ部分を歌い始めた瞬間に、ああ、この人らしい、と感じさせた。
それは、少し溜め気味に入るカウントの取り方が落ち着いた彼独特の客観的な音楽の世界を感じさせたからだ。
どちらかと言えば、前のめりに音楽を作っていく徳永や秦に対し、彼の音楽は前に滑らない。ドンとして落ち着き払ったカウントの取り方は、地に足が着いた彼らしさを感じさせる。彼のバラード曲に現れる特色を「レイニーブルー」でも発揮させた。
後半の3人のハーモニーは、徳永の声を中心に据え、高音部の三浦と低音部の秦とのバランスが見事な世界だった。
ソロ歌手で優れた人達の作り出すハーモニーの世界は、ハーモニー音楽のお手本となるようなものだった。
※
「レイニーブルー」は徳永自身が作曲した名曲です。
多くの歌手達が挙ってカバーする。
この曲に関するレビューを纏めて記事にする予定です。