三浦大知の新曲「Backwards」はダンスナンバー。4月21日にはCDパッケージとしてリリースすることも発表されている。

全体的にアップテンポで軽快なリズムに覆われている。

その中でリズムを刻んでいく部分と、ロングトーンで横に音楽を流して行く部分の二通りがあり、縦の音楽の刻みと横へ流れて行く音楽の異なる二つのリズムが交錯して行く構成になっている。

三浦大知の歌は、非常に軽快だ。

ロングトーンの部分は伸びやかな声であり、刻むポップな部分は、エッジを立てて、鋭い形で深く刻み込んでいく。

縦と横の音楽の特徴をよく掴んだ歌声になっている。

また高音部分の歌声のコントロールも完璧になっており、非常に安定した響きの中で、一本の線上に歌声の粒が均等な形で並んでいく。

この歌声の粒の羅列は見事であり、同じ形、同じ強さ、同じエッジの形の音の粒がリズムの中で縦に並んでいく。

この曲においては、歌声は曲を構成する音の一つにカウントされ、楽曲の一つの楽器のような存在であるほど、歌声が音楽に一体化している。

こういう表現は、三浦大知特有のものであり、彼が最も得意とする分野のように感じるが、これこそが彼がダンスで培ってきたリズム感であり、他の追随を許さないものであると言えるだろう。

 

コロナ禍の中で心の中にモヤモヤと渦巻く思いを払拭するような、胸を透くようなダンスナンバーだ。