2人のコラボの「いかないで」

玉置浩二が「この曲を聴いたら耳から離れなくなった。それで自分でハモったCDを作って送ったんだよね」と嬉しそうに話しただけあって、この曲のコラボは2人の息がピッタリあって、何も言葉が出ないほど完璧だった。

 

少し物悲しく繊細な徳永の歌声に対し、玉置の歌声は幅が広くソフトでどっしりとした響きを奏でる。

この安定感が徳永の声をしっかりと下から支え、それによって徳永の歌声はさらに物悲しさを増していく。

相反する歌声がコラボしたときの相乗感は非常に魅力的で、一分の隙もない。

音色を合わせ、色彩を統一したサビの部分は絶品だ。

 

2人の声がこれほど合うとは思わなかった。

また2人のブレスの間合いの取り方、歌い方、掛け合いの時の徳永の歌を受けて応える玉置の歌の一体感。

何より2人がお互いに歌い合うことを心から楽しんでいる。

そんな歌を聴けば、2人の間にある信頼がどれほどのものなのかが伝わってくる。

 

徳永の描く音楽の世界と玉置の描く音楽の世界は、あまりにも対称的だ。

しかしその根底に流れる2人の音楽に対するピュアな心は同一であるということをあらためて私達に感じさせる。

 

上手い。

それしか言葉が浮かばない。

 

お互いが対等の立場で音楽で競い合える、そんな関係の相手を持てた2人は、本当に幸せものだ。

 

「徳永がいるから頑張ろう。徳永が頑張ってる。よし、俺も頑張ろう、って思える」

そう言える相手のいる2人の関係は、これからもそれぞれの音楽の世界で走り続けるだろう。