藤井風の「帰ろう」を聴いた。
この曲の始まりを聴いたとき、自然と次のメロディーの展開が口ずさめた。
それほど、どこかで聴いたことのあるような自然な音階の流れだった。
この曲も都会の匂いがする。
なぜ、彼の曲に都会の匂いを感じるのか考えてみると、それは一切の無駄がないからだと気づいた。
非常に洗練された音楽だ。
メロディーの展開に何の無駄もない。そして気負いがないのである。
この曲もサビまでの展開もサビもサラッと軽く歌い上げている。
それがあまりにも洗練されていて、一切の無駄を感じない。
そこに都会の空気感を感じるのだ。
歌声が非常に魅力的だ。
ハイトーンボイスの多いJPOP界では、このバリトンの甘い落ち着いた歌声は耳に心地よい。
ボイスチェンジのほぼ感じられない音域での歌声は、安定していて、聴く人の心に安心感を与える。
発声にも無駄がなく、息をするように歌い出す歌の始まりは、彼の音楽が彼の体と溶け合って一体感を醸し出す。
さぁ、歌うぞ!という気負いのない歌い出しは、この人の持ち味である。
洗練されていて完成された音楽。
安定した歌声が曲とマッチしており、シンガーソングライターならではのセルフプロデュース力だ。
最近のJPOPの風潮に一石を投じるこの人の音楽は、JPOPの新しい流れを生み出すものになりそうな予感がする。
まだ23歳。
これからどんな音楽の世界を作り上げていくのか非常に興味がある。
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