アルバムのタイトルにもなっている曲。

彼自身の自作曲である。

彼の話の中にもあるように、この曲の構成は、A、A’、B、B’、A、A’、B、B’、サビという作りになっており、サビは一回しか出てこない。

使われている歌声は、ミックスボイスとファルセットからのヘッドボイスの2種類である。

 

イントロのない始まりの歌で、彼の特徴である「息をするように歌う」始まりが印象的だ。

これは、やはりミュージカルで鍛えられた感覚であり、彼の曲作りに、ミュージカルというものが生かされているのを感じる。

この「息をするように歌う」始まりは、彼の最も特徴的な歌い方であり、城田優の歌を一言で現せば、「自然体」ということが言える。

即ち、彼の歌には「さあ、今から歌うぞ」という気負いが全くない。

息をするように、話を始めるように「歌う」

この感覚は、彼独特の感覚だと思う。

そしてこれが城田優の最も魅力的なところであり、唯一の持ち味だと私は思う。

彼のように「自然体で歌える」というところは、歌手であるなら誰もが目指すものであり、そのように歌えればいいと憧れる到達点でもある。

ようするに、歌手城田優は、この2年で歌手としてテクニック的には完全に完成されたということが言える。

そして、彼の表現力は、そのテクニックを駆使して歌の中に生かされているということになる。

これが1枚目のアルバム「UNO」と比べると歌声や表現力に於いて雲泥の差があると感じる所以でもある。

城田優のこの数年の進歩は目をみはるものがあり、それは多くのミュージカルの作品によって引出されたものであると言える。

 

「オリジナルのミュージカルを作っている」という彼のミュージカルでの到達点はまだ先なのだろう。

彼が今年、どんな舞台を見せるのかを非常に楽しみにしている。

ミュージカルのプロデューサーとして、まだまだ進化中である。

 

それにしても、彼の柔らかいミックスボイスと息遣いは、かなり疲れた精神を癒してくれる。

そう思いながら、聴いた。