城田優の最新アルバム「Mariage」の収録曲。

木村カエラの「Butterfly」のカバーだ。

 

城田優のカバーアルバム「Mariage」には、どの楽曲にも共通したスタンスを感じる。

それはカバーアルバムと言えども、どの曲にも城田優独自の解釈が加えられているということだ。

普通、カバーアルバムと言えば、なるべくオリジナルの雰囲気を壊さない、楽曲のアレンジをそのまま踏襲したものが多いが、彼の「Mariage」には、オリジナルを踏襲するというよりは、城田優の解釈による楽曲というスタンスが見え隠れする。

 

この曲「Butterfly」も、木村カエラのオリジナル曲に漂う雰囲気は、「結婚」という人生の最大のセレモニーを迎える前の期待に満ちた前向きでワクワクした積極的な気持ちをあくまでも軽くどこまでも明るい雰囲気で歌い上げている曲である。

そこには若く楽しく新しく始まる生活への期待感があり、フワフワとした夢見心地の気分が、アップテンポの明るい色調の楽曲として現されている。

また楽曲はあくまでも一つ一つの音符が並列で刻んでいくリズムになっている。4ビートの刻みだ。

 

これに対し、城田優の「Butterfly」は全く違った様相を見せる。

彼の「Butterfly」のアレンジは三拍子の形を取る。

即ち、楽曲のリズムの刻みが全く異なるのである。

また彼の歌声は、その三拍子に乗って、3拍を一塊りとしたリズム刻みになり、全く違う楽曲の雰囲気を醸し出す。

彼の「Butterfly」は、結婚へのワルツになっているのである。

さらに彼の明確なタンギング、そしてオリジナルよりもずっとスローテンポである音楽によって、歌詞の言葉の一つ一つが三拍子の中で緩急を持ったリズム感を纏った言葉になって、浮き上がってくることによって、物語のように鮮明に情景が描き出されるのである。

これはミュージカル俳優としての彼のイメージの造形力であり、楽曲の持つ情景を鮮明に描き切っていく手法のアレンジを彼が行った結果と言えるだろう。

さらに彼の特徴である、息を吸うように歌い出す始まりは健在であり、イントロ無しのいきなり彼の歌声から始まるアレンジになっているのも印象的である。

 

このように城田優にとってのカバー曲というものの位置付けは、あくまでも楽曲を理解した上で、もう一度初めから彼のイメージで作り直すという作業のように感じる。

そこには彼のプロデュース力が発揮されていると考えられ、例えカバー曲であっても、あくまでも城田優というアーティストの色に染め上げていくという意思の現れのように思われる。

 

彼のカバーアルバムは、最近頻出するJPOPの過去曲のカバー曲を歌うことに対する一つの提案のように感じた。