2014年9月発売の26枚目のシングル。

渡り鳥編ともいうべきものなのだろうか。前作のポップス歌謡曲とは一変。正統派演歌だ。

明るめの色調の歌声で全編が覆われていて、スコンと抜ける彼の冒頭の歌声から始まり、しっかりこぶしが回されたフレーズが続く。

ポリープ手術の直前だったかもしれないと想像する歌声は、確かにメロディーラインがそれほど高くない。

いつもの彼の歌ならもう少し全体的に高音部を中心にメロディーラインが作られる感じがする。

中音域を中心としたメロディーであり、比較的低音域の音が続く。

 

この曲を聴くと彼が本来持っている歌声にある声の弾力性のようなものが感じられない。

氷川きよしの歌声は、鳴りの良さと弾力性にある。

ロングトーンで歌っていても、声がピンと一本調子に張っているのではなく、声の伸縮性や弾力性を感じる。だからこそ、高音部で伸びやかな歌声になるのだが、この曲に関しては、その弾力性が感じられず、若干、声帯が乾燥気味、ハスキーさを感じる歌声になっている。

これがポリープの影響なのかもしれない、と感じた。

中音域でこういう感じだと、高音域ではもっとハスキーになり、弾力性を失った歌声になっているかもしれないと思った。

長年の歌手生活の過酷な喉への負担が、彼の歌声に変化をもたらしているのかもしれない。

 

いつ彼の歌声が戻ってくるのか、ちょっと興味がある。

手術したことによってハイトーンが出しやすくなり、ロックなども歌えるようになったと答えていたように記憶している。

確かにこの頃の彼の歌声は今の歌声とは違う。

どのように彼の歌声が変わっていくのか興味深い。