1月に発売された「I’m Here」のカップリング曲。

 

混じり気のない澄んだ綺麗な歌声が冒頭から続く。

きちんと鼻腔に当てられた音は、鋭くエッジが効いていて、時に耳障りなぐらいビンビンと耳に響いて来る。

その響きは細く混濁がなく澄み切ったナイフのようにピカピカと光った尖った鋭い響きだ。

この歌声が全編を通じて広がっていく。

その歌声は澄んだ空気を打ち破っていくかのようだ。

甘く澄んだ歌声は、今までの彼の歌声のフレーズの一部分、または、フレーズの終わりのシャウト気味な歌声に時折顔を覗かせる歌声である。

またそれに続く高音部のヘッドボイスは、表声からの境界線がなく、スムーズに転換されていく。

どこからがヘッドボイスでどこからが表声のフロントボイスになっているのかの境界線が曖昧に作られていく。

今まで120曲以上、彼の歌声を聴いて来て、これほど綺麗に転換されていく澄んだ歌声の記憶があまり無い。

音の響きの粒が見事に揃えられていく。

 

それにしてもこの曲も私には都会の乾いた空気感を感じる。

三浦大知の歌は、いつも洗練されていて無駄がない。

乾いた都会の空気の中の景色が目に浮かぶのは私だけだろうか。

 

邪念のない理路整然とした音の世界。

研ぎ澄まされた音の世界がそこに広がっている。