城田優の最新アルバムから、「First Love」を聴いた。

彼のカバーを聴いて、ちょっと意外だった。

なぜなら、音楽の作りがオリジナルとは違ったからだ。

 

曲はジェジュンもカバーアルバムに入れているが、オリジナルの宇多田やジェジュンの音楽が、横に流れた作りになっているのに対し、城田優の曲は非常に縦の作りになっていると感じた。

リズムの縦の刻みを強調したアレンジになっており、歌も滑らかに歌うというよりは、縦に言葉を刻んでいく、という印象の作りになっている。

どちらかといえば、歯切れの良い男っぽい歌になっていると言えるかもしれない。

従来の彼なら、もっとそっと楽曲に寄り添った歌になるだろうと思っていたので、意外だった。

ああ、こういう「First Love」もあったのか、と思った。

 

以前、NHKの「Covers」で井上陽水の「少年時代」を聴いたときも思ったのは、カバー曲になると彼はしっかり自分の音楽を提示してくるのだな、ということ。オリジナルを踏襲するというよりは、一度楽曲を分解して、城田優の曲に作り替えてくる、という感じがした。

おそれゆえ、この曲も城田優の感じる「First Love」になっており、彼の歌から宇多田ヒカルを連想することが少ない。

そこが意外であり、面白いと思った。

 

今回のアルバムには、「少年時代」や「Pritender」など、他にもカバーしている人がいる楽曲がいくつも収録されているが、城田優がそれぞれの楽曲をどのように自分流にアレンジしてくるのか、非常に興味深い。

 

ミュージカルで見せる一面とはまた違った「歌手城田優」とサインされた楽曲になっているのではないかと、ちょっと思った。