この曲は、彼の初めての韓国でのソロミニアルバム「I」に収められた曲だ。

発表当時、彼が書いたという歌詞の内容とMVが余りに衝撃的で非常に話題になった。

思うように歌手活動出来ない彼の境遇の真の理由がどこにあるのか、薄々、ファンが感じていたことが歌詞やMVの映像から、確信した人が多かったように思う。

自由のない捉われの世界の中で、僅かに歌の海だけは守っている。そこには誰も近づくな、近づかせない、という強い意志の歌であり抵抗の歌でもある。

そんな内容の歌を彼はエネルギッシュに力強く歌い上げるのが印象的な歌だった。

彼が捉われていたのは何なのか、何から自分の海を守ろうとしたのか、それは、この曲が発表された当時と、このライブとの間の長い時間の流れの中で、彼の心境も環境も大きく乖離している。

しかし、彼の歌手としての強い決意の表れとも言うべきこの歌を歌う時、彼は歌手としての原点に戻るのだろう。

 

この歌は韓国語の発声ポジションで歌われている。

中・低音域はフロントボイスのポジションに近いが、高音は喉に落ちたポジション。

韓国語の持つ母音の特性が、そのまま歌声に反映されている。

尖った歌声を出すために、彼はかなり喉に力を入れて歌っている印象を持つ。

それでもストが、ストレートボイスになり切らない、ビブラートのある響きがソフトな音色を醸し出している。それを断ち切りの歌い方をすることで、強い印象の歌声に仕上げている歌。

 

ソロ歌手ジェジュンの定番とも言うべき歌で、非常によく歌い込まれた歌だ。

ライブの後半に持ってくることが多いこの曲は、疲れた喉でも歌えるだけの安定感を持つ。

いくつもある彼の自作曲の中でも、必ず彼が歌う一曲だ。