氷川きよしのデビューシングル「箱根八里の半次郎」の歌声を聴いた。

先ず、今の歌声と全く違うと感じた部分は、歌声全体に演歌特有のこぶしが存在していることだ。

私は彼の歌声のレビューを昨年の6月から書き始めているが、今の彼の歌声にはここまでのこぶしは存在していない。

それが大きな違いだ。

 

歌声は全体に今よりも幅が細く、声量も今ほどのものを感じない。

声質は明るく軽い。

この明るさや軽さは、まだ声帯が完成されていない、成熟しきっていないという印象を持つ。

彼が22歳の時の歌声だが、まだ10代の声質の印象を持つ。

しかし、発声の基礎はきちんと出来ている。

特に演歌歌手としての基礎であるこぶしが、どの声域のどのフレーズにもあり、教えられた通りに声を震わせて歌い、楽譜に忠実に歌うというお手本のような歌になっている。

 

彼の初期の歌声がどのような歌声だったのか、知りたいと思っていたが、この曲を聴く限り、幅はそれほど太くなく、響きは細く明るめの声であり、声量も今ほど豊でなかったということがわかる。

 

男性歌手の場合、20歳を越えて、24歳まではまだ声帯が成長する。その為、発声法を変えるには、24歳までが適切という考えがあるが、彼の歌声もデビューした時にはまだ未完であり、伸び代がたくさんあることがわかる。

 

もっと力強く歌うタイプだと思っていたので、この歌声はちょっと意外だった。

 

彼の歌声がいつ頃から変化してくるのか、興味が湧いた。

 

https://youtu.be/QGC3x22zJa0