圧巻のライブパフォーマンス。
そう思った。

MステウルトラSUPERLIVEの10分間のライブパフォーマンス。
三浦大知は「三浦大知」というアーティストの実力をまざまざと見せつけた。

彼は5曲のパフォーマンスを10分間に詰め込んだ。

1.COLORLESS
2.Be Myself
3.飛行船
4.Back Hole(無音ダンス)
5.EXCITE

新曲の「COLERLESS」の世界は色のない世界。
ライブツアーのタイトルにもなっているこの言葉は、彼の「何色に染め上げるかは皆さんにかかっている。皆さんの色でライブを染め上げて下さい」というメッセージのこの曲を冒頭に持ってきた。

音楽番組のいいところはファンでない観客に自分のパフォーマンスをアピールすることが出来ることだ。
多くの人が観るこの手の番組で、いかに自分の色を出して存在感を示せるか。それはどれだけオリジナルティーを持っているかということに尽きるかもしれない。
「R&B」というジャンルをソロでパフォーマンス出来る人間は三浦大知しか見当たらない。いや、もしかしたら、彼が目指したように日本の「R&B」の世界をソロでパフォーマンスする人間は他にもいるのかもしれない。
しかし彼が第一人者であることは疑いようのない事実である。
そして今のところ、彼に追随できる人間は思い浮かばない。

そんな三浦大知というアーティストの魅力を余すことなく披露したのが10分間のパフォーマンスだった。

今回のセトリではどちらかと言えば、ダンスが主になった。ダンスというパフォーマンスの中で同一化する歌。
最近の彼の楽曲は「歌」が主体になるものが多かったが、選曲されたものはどれも強烈なダンスパフォーマンスのものばかりだ。彼の力強いダンスが十分披露されている。

この軽快でアタックの強いリズムの世界に必要とされる歌声は、やはりアタックの強いエッジの効いた歌声になる。
鋭角に刻んでいくリズムに彩られた音楽の世界の中で、歌声もやはり鋭角の流れを見せる。

縦刻みの音の世界。
綺麗に音の粒が並んでいく。

唯一「球体」から選ばれた「飛行船」だけがわずかに東洋の神秘的な音の世界を現していく。

曲の冒頭、彼だけ一人、バックダンサーの中でポツリと立って歌う。
その光景がいつもこの曲を聴くと目に浮かぶ光景に似ていた。
群衆の中の孤独感。
「球体」にいつも感じる私のイメージだ。

最後の曲「EXCITE」のステージへ駆け上がりながら、観客に参加を求める掛け声は、彼のいつものステージを思い出させた。
「三浦大知の音楽の世界に触れていって下さい」
「一緒に楽しみましょう」

いつも言う彼の世界がそこにあった。