テレビ朝日系ドラマ『Answer~警視庁検証捜査官』の主題歌に起用されたタイアップ曲。初のオリコンランキング9位を獲得したラブバラード曲。

ピアノの音だけで始まるイントロからの彼の高音部は、非常に透明感のある綺麗な音だ。

彼の歌声の特徴は、ビブラート音のない、澄みきった直線的な響きの声であることだ。

これが、この曲のメロディーラインに乗って、披露されていく。

プツン、プツンと直線的に切り取られたフレーズの最後の音は、強い音量で打ち切られていく。

この曲の特徴的なメロディーラインだが、その最後の音の処理は、非常に難しい。この音に言葉の語尾が乗る為に、処理がマズイと詰まったような音節になってしまう。

彼は、その部分をプツンと切るのではなく、残響のある処理で終わらせていく。

これは、語尾を喉元で切るのではなく、腹筋を使って、身体の内面の深い部分で切っていくことによって、詰まったような音ではなく、響きの残った音節として処理することが出来る。

このテクニックを彼は持っているのだと思った。

又、高音部と中音部が交互に出てくるミドルヴォイスとファルセットの切り替えが見事だと思った。

彼が、自分の歌声を的確にコントロール出来る力を備えているのがわかる歌い方の部分だ。

最後に現れてくるロングヴォイスの終わり方は、力を徐々に抜き、声の残響を計算しながらフレーズを終えている。

声の音色が、しっかりした色から、だんだんと無色になっていく。

彼の最も特徴的な歌声の終わり方だと思った。