昨夜の玉置浩二ショーを観た。

毎回、様々な人とコラボするが、昨夜のコラボではsalyuとの「to U」が印象に残った。

「to U」の「U」はyouの総称である。

ミスチルの櫻井利寿が作詞、プロデューサーの小林武史が作曲。楽曲発表時は「筑紫哲也のNEWS23」のテーマソングとして流れていた。

 

玉置自身が「to U が歌えるっていうのがね、それもsalyuさん本人と歌えるっていうのがね」というほど思い入れの強い曲でもある。

 

 

ゆったりとした音楽の流れ。メロディーの流れも穏やかである。

優しい音楽に乗って2人の歌声もこの上なく優しい。

この曲には最近のJPOPの特徴であるアップテンポな激しい音程の上下のメロディーというものは全くない。

全てがゆったりとした中で、言葉が丁寧に綴られていく。

 

この曲を聴くと初冬の晴れた朝、公園の湖に二羽の水鳥がやってきて水辺でゆったりと寄り添いながら浮かんでいる。

そんな穏やかな朝の風景が目に浮かぶ。

穏やかでゆったりとした空気が流れていく。

全てが穏やかな音の流れ。

その流れの中で、2人の歌声も優しく穏やかに歌い継がれていく。

 

伸びのある細いsalyuの歌声を玉置のソフトで幅のある歌声が包んでいく。

コラボする相手の世界、楽曲の世界に合わせて歌い方も歌声も変えてくる玉置の音楽センスがこの曲でも発揮されている1曲である。

 

フワーッとした空気感と世界観の中で、どこまでも2人の澄み切った歌声が伸びていく。

激しさは内に秘め、どこまでも穏やかな流れ。

この時代のある意味特徴的であるレガートが多用された音楽がすっかり忘れてしまったJPOPの一面を見せる。

 

いつまでも耳の中に残る穏やかで滑らかなメロディーと2人の落ち着いた優しい歌声に、久しぶりに朝から癒された。