氷川きよし32枚目のシングル。2018年1月発売のものだ。

この頃の歌声を聴くと、耳に馴染んだ最近の彼の歌声になる。

 

この曲は演歌の王道まっしぐら。

テンポ感がよくリズムも軽やかで、氷川きよしの持ち味が十分生かされた楽曲になっている。

 

歌声は非常に軽やかで全体の音色は明るい。

この音色が明るいのは、手術後の彼の歌声全般に言えることで、こぶしを回しても低音部に力を入れてうねっても、そのすべての音域で音色が明るい。

以前のような全体の音色の重さがなく、声帯の伸縮の反応が非常によく声自体が若返っている印象を持つ。

 

この曲は演歌のテクニックを全て駆使してあると言えるほど、全体にこぶしが存在し、声自体にうねりがある。

彼自身がよく回るこぶしを楽しんでいるようにも見える。

氷川きよし自身が歌声が蘇ったことの感触と手応えを十分認識している。

そんな気がした。

 

ここまで彼がデビューしてからの楽曲のMVを検証してきたが、氷川きよしという歌手の変遷がよくわかる。

演歌一筋に歌っている人、というイメージが強かったが、その一筋の歩みの中にも彼の葛藤があり、演歌という括りの中で様々な楽曲の挑戦してきたことが、MVの変遷を辿ることで理解できる。

歌にも容姿にも恵まれ、演歌の貴公子として、順風満帆に歌い続けてきた人という印象だったが、決してそうではなく、彼の中で多くの挑戦をしながら現在のポジションに辿り着いていることが感じられる。

 

このMV集も残りあと2曲だ。

そこには私のよく知っている彼の歌声と顔がある。

あらためて分析することを楽しみたいと思った。