リトグリの新曲「君といれば」のMVが公開された。

休養中の芹奈を思う歌になっている。

 

この曲は4人でハーモニーを作り上げている曲だが、この曲で今までと一番違うと感じたのは、完全に個人が独立しているという点である。

リトグリは、各人の歌唱力が非常にしっかりしている。それは元々、ソロでも歌えるという訓練を受けてきている人間の集まりであるからに他ならないが、そういう人間の集まりであっても、グループ構成をすれば、当然、お互いの歌に寄り添いあう関係が出来上がる。長年、グループ活動をしていれば、その中で関係性が強調され、声が共存し合うよりも依存し合う部分が出てくるのが常である。

5人で歌っていた頃の彼女達は、芹奈の声を中心にハーモニーが出来上がっている面が否めなかった。それは一つの芯を中心としたバランスでのハーモニーが作り上げられている部分が大きかった。

5つの歌声が平均的にそれぞれの領分を侵さずにハーモニーを作り上げていく。そこには、それぞれが自立しているというよりは、寄り添いあっているという方が正しく、5つの声が一つになって、大きな太い線を描き出している、という印象だった。

しかし、芹奈を欠き、5つが4つになった時、当然、それは一旦バラバラになるのである。

今まで接着剤の役割をしてきた中心の声が抜けた時、一つ一つが非常に不安定なものになり、どこか頼りなさを感じさせるハーモニーになったのは否めない。それが「声が減る」という印象になったのは当然の結果であると言える。

そうやって、彼女達は、どうなったかといえば、それぞれのパイプを太くしたのだ。

欠けた分を4人で負担しあった。

4人が主となってハーモニーを作ることに舵を切ったのだ。

5つで作り上げてきたものを4つで作り直した。

新たな4つのハーモニーとして、新しい形のリトグリサウンドを提供することに舵を切ったのだ。

 

今回のこの歌は、芹奈が欠けたままでは未完成であり、いずれ芹奈が戻ってくることを想定した楽曲である。

しかし、4つの声が作り出したハーモニーは、非常に安定している。

それは、各人のパフォーマンス力が向上し、自立した関係性に変化したことが大きい。

この曲で最も顕著なのは、各人のソロパートでの歌唱力である。

力強い一本の線となって、それぞれが太い弧を描いているのが非常に印象的であり、その歌声は、ハーモニーを作る歌声ではなく、ソロ歌手として各人の個性が非常に際立ってきているのが印象に残る。

即ち、ハーモニーを作る時には、リトグリのメンバーとしての協調性が保たれ、ソロ部分に於いては、各人が、自分の個性を主張することをどのメンバーもが遠慮しなくなった。

その為、4つの色彩の違いが非常に顕著で、今までになく強固な歌声であるのが印象的だ。

それぞれが個として立っているということが際立っているのである。

 

芹奈が戻った時、5つの歌声はさらに強固なものとなって、リトグリサウンドを押し上げていくだろう。

そうなった時、新しいリトグリサウンドの世界が始まる。