圧巻だ。
集中力が全く違う。
JUJUが一発撮りの「THE FIRST TAKE」に登場した。
多くの若手歌手が登場し、一つの登竜門のようになっているこのサイトで、彼女はベテランの力を見せつけた。
そこにはニューヨークのストリートミュージシャンから20年の不動の歌声の風格があった。
「やさしさで溢れるように」は、多くの歌手がカバーしている。
しかし、彼女のこの歌声には敵わない。
彼女の独特の歌声。
低音部から高音部、ミックスボイスの音域のギリギリの音程でサビのメロディーが展開される。
普通の歌手なら、喉を締め付けるような声になりがちのチェンジボイスギリギリの音程だが、彼女の歌声は紙一重の危うさで安定している。
僅かにでもブレスや腹筋が揺れれば、ひっくり返りそうなチェンジボイスの限界の音程を、見事なバランスで歌い切っていく。
その上で、低音部は響きが非常に安定している。
聴き慣れたこの歌の彼女の歌声が、今回、ピアノと一本のギターだけの音の中で聴くことが出来るのは、新たな発見であり、彼女の勇気に敬服する。
さすがに20年、トップミュージシャンのポジションを維持し続けている歌手は、歌声を丸裸にされても揺るぎのない安定感を持つのだということが証明された歌だった。
昨年暮れ、紅白に初出場し、さらに今回、この「THE FIRST TAKE」への挑戦は、歌手JUJUが新たなポジションを目指して果敢に挑戦して行こうとする姿に見える。
三浦春馬の悲しい出来事が、彼女の歌手としての生き様に影響を与えたのは確かなことであり、彼女のこの歌に対する思いが彼への思いに溢れている、というのを感じるのは私だけだろうか。
「やさしさが溢れるように」は、
その名の通り、JUJUのやさしさが溢れた歌だった。
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