この曲だけがロック調。ソウルコンでのこの曲を褒めているコメントを読んだが、確かにコンサートでは楽しい一曲だったのだろう。でも私には、彼の歌がどうのこうの、という以前にこの楽曲自体に何も新しさを感じなかった。

これは、彼のこの曲に限ったことではなく、KPOP全体の印象として、音楽の分野としての統一性を感じる。

統一性。確かに好意的に書けば、そういう言葉になるし、否定的に書けば、どの曲を聞いても印象が変わらない。即ち、模倣性を感じるだけで独自性を感じない。

この曲もイントロを聴いただけで、既視感を持った。即ち、どこかで聴いた曲、というイメージだ。

この既視感が韓国の曲には、いつもある。だから音楽としての魅力を感じないのかもしれない。

 

さて、楽曲についてはこのような印象を持ったこの曲の彼の歌声は、やはり鼻声が気になる。また高音部の力で押した歌い方、それに伴う声の掠れが気になった。

彼はもっと艶のある中音域の響きを持っていた歌手だ。それは日本語、韓国語という言語に関わらず。

しかし、この曲ではそれを感じない。少し前に録音された曲らしいが、それがいつ頃のことなのかわからない。ただ言えることは録音当時、声の状態は決してベストではなく、それはずーっと続いているのかもしれない、ということだった。

 

もし彼の歌声がこのままずっとこのような音質が続くようであれば、やはり私は根本的な原因、それは声帯そのものに何か問題が起きて機能不全になっているのかもしれのかもしれないと感じる。

機能的に何も問題がないとするなら、忙しい彼には過酷な話かもしれないが、練習不足によって声帯が痩せてしまっているという状況も考えられる。

そのどちらも該当しないなら、単なる発声ポジションのズレであり、技術的なものと言えるが、ソウルコンでも喉の調子は良くなかったと聞いた。骨折によって練習不足だったんだから仕方ないという見方も当然出来るが、実は骨折をしていてもフェイスボイスのポジションで歌うなら関係なく歌うことは出来る。骨折によってさらに練習不足に陥ったという見方も出来るが、それも該当しないように感じる。

これはコンサート、歌手活動、音楽活動というものに対する根本的な考え方の違いと思われる。

 

「Life Support」の記事の最後でも少し触れたが、韓国ではデビューする前が最も重要であって、デビューしてからは活動が最優先事項だ。

韓国人歌手の場合、デビュー前の練習生時代に過酷で厳しい訓練を積み、歌手として非常に高いレベルでデビューしてくる。

しかしデビュー後は、活動に忙殺される。そして10数年で兵役を迎え、その後、復帰したあと、さらにレベルアップする人は皆無という印象を持つ。

 

批判する気持ちはさらさらないが、SM事務所から日本活動をしてきたKPOPグループのどれもが兵役前のレベルを保っているとは言えない。

加齢による歌声の衰えに対処しているとは言えず、培ってきた実力を食い潰しているだけ、と言えばあまりにも厳しい見方だろうか。

「カムバック」ともてはやされ、再デビューしてくるグループのどこにもそれ以前との明確な音楽の違い、また進歩を感じない。同じことの繰り返し、または同じイメージの維持、そういうものしか感じられず、「音楽」というものに真剣に向き合うアーティストのイメージからは程遠い。

単に事務所から与えられた楽曲をこなす、という受身的なスタンス。

自分達の音楽のオリジナリティーの確立というものからは遠く離れた印象しか持たない。

 

それは彼らに原因があるというよりはKPOP界全体の雰囲気、業界の共通の認識、という印象が強い。そこに日本の音楽業界との大きな違いを感じる。

日本では音楽が実に多種多様である。JPOPという括りの中で、一定の共通したイメージを持たない。ありとあらゆるジャンルの音楽が存在し、独自性、考え方、捉え方の大きな違いと言わざるを得ない。

最も重要視されるのはオリジナル性の確立であって、類似した音楽は存在できない。また長く歌い続けるのであれば、常に音楽の進化を求められる。

そういう業界の考え方の違いの中では、歌手活動、音楽活動というものに対する認識も当然異なってくる。

ライブというものに対しての練習時間、スケジュールをどのように組んでいくか、どの程度組むのかということ。また、歌手としての仕事を優先的に組むのか、それともその他の仕事を優先的に組むのかという意識の違いにもよるだろう。

歌手、音楽活動は、ライブやCD発売という目に見えた活動だけではない。それらはパフォーマンスの一つにすぎず、最高のパフォーマンスを発揮する為には、それ以外の時間にどれだけ音楽や歌というものに向き合ったのかということが重要なのであり、その結果としてのライブやCDであると言っても過言ではない。

 

歌手が普段のボイトレを疎かにして、コンサートでいい歌を歌えるはずがなく、稀に「全然練習したことがない」と言って自慢する歌手もいるが、それは美空ひばりのような天才か単なる自己満足に過ぎない。

 

ジェジュンはデビューして16年。

もう基礎力の蓄積はない。ここからが本当の勝負であり、彼が歌手として進化できるかどうかは彼自身の自覚と認識にかかっている。

ファンはどんなものでも受け入れる。それは彼のファンに限ったことではなく、誰のファンであっても同じだ。しかし、一般人は違う。一般人は容赦ない。

本物の歌とその場限りの歌は必ず見破られる。

日本の業界で生き残るのは、本物だけだ。

 

日本活動を再開して3年目。

彼が歌手としての進化が問われる年だ。