「これは人生 読めない未来

それでも Repeat

毎日 止まる事なく進んでいく…」

 

と歌い始めるこの歌は三浦大知がコロナ感染の拡がりで自身のライブを次々中止せざるをなくなり、ライブ当日に自宅から1曲生配信する企画「1Song Home Live」13回目の昨夜、特別版として披露された新曲だ。

作詞は三浦大知。作曲は彼と音楽プロデューサーのUTA。アレンジもUTAが担当している。

 

彼自身が書いたこの詞には、彼の並々ならぬ音楽への情熱と決して諦めないという強い決意。そしてこの場所で歌い踊り続けるんだという意思があらわされている。

 

いつもと変わりなく彼の声は非常に安定している。

いつもと違うのは、彼自身の並々ならぬ強い意思。それが歌声にも反映され、非常にエネルギッシュで押しの強い歌声になっている。

また歌詞の言葉のタンギングは強く、エッジ深く切り込んでいく発音は言葉の一つ一つを明確に浮かび上がらせ、聴くものの心に迫ってくる。

その強さは曲の最初から最後まで変わることなく続けられ、彼の音楽活動継続への強い意志をそのまま反映している。

この曲には三浦大知の音楽の原点の1つとも言える「音を楽しむ」という世界はなく、「音楽を通じて自分を表現する」というパフォーマーとしての明確な意思表示の世界だ。

この強さが三浦大知のパフォーマーとしての強さに通じる。

 

 

世界中で全てのライブ、コンサートが中止され、歌手達は活動自粛を余儀なくされている。

そんな中でも何か自分にできることはないかと考える時、「歌い続けること」という選択を多くの歌手達がするのは当然のことと言えよう。

あるものはアルバムを制作し、あるものはYouTubeやInstagramを使って動画配信を行う。

また日頃、コラボ出来ない相手とのコラボを実現させては、新しい音楽の形を提供し、ファンを喜ばせる。

 

この数ヶ月に及ぶ自粛期間中にどれだけの新曲が披露されただろう。

そのどれもが非常に高いレベルを保っている。

コロナが与えた影響は悪いものだけとは言えない。

自粛期間はそれぞれのアーティスト達にとって貴重な充電期間となり、精神的にも肉体的にもある意味充実した期間だったはずだ。そして自分達で曲を作り上げるというクリエイトな能力の新たな発見や成長に繋がったものも多い。

自分を見つめ直すという作業は、そのままそれぞれの音楽を見つめ直すという作業に繋がったに違いない。

 

自粛が緩和されても以前のようなライブ活動再開までにはまだ多くの時間がかかる。

蓄積されたパフォーマーとしての表現意欲は、少しずつ小出しされながらも内部に燻り続ける。

それぞれの内部に溜まったものが一気に表現される時期を迎えた時、この自粛期間をどのように過ごしてきたかがその後のそれぞれの活動に大きな影響を与えていくだろう。

 

三浦大知は、「The Answer」「球体」を経て、コロナの自粛期間にまた次の発展期へと入った。

そんな気がした。