25日に放送のあった「ベストアーティスト2020」

三浦大知と清塚信也のコラボによる「Antelope」は二人の高いテクニックを示すものとなった。

 

ピアノ伴奏だけの「Antelope」

ここでしか聴けない演奏だ。

ピアノの澄んだ音色と三浦大知の澄んだ歌声。

非常にクリアな世界観が広がった。

 

この曲における三浦大知の歌唱力は、素晴らしい。

私はこの曲に於いて、彼はまた一歩、前進したと思う。

今までもいくつかバラード系の曲はあったが、これほどまでに澄み切った歌声を披露したものはなかった。

今までと一番違うと感じる点は、ファルセットだ。

 

三浦大知のファルセットは今までどちらかと言えば、表声のミックスボイスに比べて、どうしてもボリュームがダウンし、響きも細くなるために、明らかにボイスチェンジしたのがわかる状態だった。

これはミックスボイスの音域が広い歌手にありがちで、彼も自分の音域で持っている高音部ギリギリまでミックスボイスの表声で歌うために、チェンジボイスするといきなりトーンダウン、ボリュームダウンになる事が多かった。

しかし、今回の「Antelope」はその部分を見事にクリアしている。

非常に鮮明でクリアなトーンで表声もファルセットも統一されており、特にファルセットの今まで課題と思われていたボリュームやトーンダウンがこの曲では一切感じられない。

チェンジボイスが非常にスムーズに行われていると感じた。

 

清塚信也のピアノは言うまでもなく素晴らしい。

この人のアレンジ力は特筆すべきもので、どんなアーティストのどんなコラボでも柔軟に対応できる。

今回のアレンジは、三浦大知の持つ清涼感、澄み切った世界感を非常にクリアな音色と、シンプルなアレンジで、歌声を際立たせた伴奏になっており、二人の一体感が素晴らしかった。

 

最後のダンスパフォーマンスは、私のような専門外の人間がとやかく言うべきではないが、

二人の音楽感、世界感の一致が見事だった。