10月3日に行われたファンクラブ限定配信のオンラインライブ「BOKUNOUTA2020」のアンコール配信で今回はファンクラブ会員でなくても観ることが出来る。
「To me」は今回の配信で追加されたアンコール曲。
10月3日の配信で私はずいぶん酷評したが、この配信の中で、前回になかったこのアンコール曲が一番出来がいいと感じた。
ジェジュンという人は、こういう曲を歌わせると本当に上手い。
そう思った。
そして、彼のこの歌は、本編の歌とは全く違うものだったと言える。
別物だった。
それは全ての楽曲が終わった開放感から来るリラックス感や身体がすっかり温まった機能的なものなど、全てがいい相乗効果を発揮し、彼の良さがこの一曲に集約されていたかのように感じさせた。
非常に充実したいい声だった。
彼の持ち味である濃厚な色の歌声が中音域から高音域にかけての全般に戻り、綺麗な弧を描いていた。
特に後半最後のサビの部分のシャウト気味の歌声も、ぶつ切れになるのではなく、放り上げた歌声が余韻を持って響いていた。
丁寧な歌詞の言葉送りなど、音楽の表現的にも一言一言に気持ちが込められており、その気持ちが声の充実さに繋がっていたと言っていい。
今回のライブは、ドラマの最終的な着地点という意味合いの強いもので、いわゆるコンサートライブではなく、スタジオ配信という形が取られていた。
その為にドラマ、MCというものに連続した形で歌が歌われており、その気持ちの切り替えや話し声から歌声への転換など、コンディション的にコントロールが難しい部分があったかとも思われるが、アンコール曲の充実した歌声を聴くと、もう少し彼が歌だけに集中した形のライブであったなら、本編の歌声も違ったものになったかもしれない、という想像の余地を残したものになった。
安全地帯のこの曲は、彼が「最も好きな曲」というだけあって、しっかり歌い込まれ、完全に彼の中で楽曲が消化された形を感じさせるものだった。
彼の良さが集約された一曲と言えるだろう。
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