ドラマ「MIU404」の主題歌だ

「Lemon」もそうだったが、この人の歌声はドラマの切ない展開の中で聞こえてくると堪らなく泣きたいような気持ちになる。

それぐらい哀愁を帯びた色彩を持つ不思議な歌声だ。

 

リズミカルでポップな楽曲。

サビから始まる作りは、この人の特徴でもある。

このサビのメロディーを繰り返し繰り返し使うことで、中毒性の強い音楽の世界が持ち味だ。

 

シンコペーションの頭に付けられたアクセントは、独特のリズム感を生み出している。

シンコペの拍頭を綺麗にアタックで揃えることで、リズムの刻みを前へ前へと促していく。

Cメロだけがシンコペの刻みになっておらず、その部分が返って際立っている。

 

少し鼻にかかった甘い歌声はミックスボイスの音色が非常にソフトだ。それゆえ、ファルセットに転換した時のヘッドボイスの音色とそれほどの違和感を持たない。

この曲の歌声を聞いていると必ず同じポジションに綺麗に当たっている。

即ち声の音の粒が綺麗に揃えられている。

これはおそらくこの人の喉の奥が大きく開いている証拠であり、そこに ブレスが綺麗に当たっていることによって、鼻腔に全ての音が当たってフロントボイスのポジションを見事に掴んで歌えていると言える。

 

それゆえ、ファルセットにした場合も、抜いて歌う場合と、ヘッドボイスに転換してアタックの歌声になる場合の二通りに分かれるのだろう。

 

それらの歌声を持つが、全編から感じる印象は、アタックの効いたフロントボイスだ。

言葉が見事に立っていて、非常に明確に聞こえてくる。

この人のタンギングが正確で鋭い証拠でもある。

 

 

ドラマの展開と共にこの音楽が聞こえると、ドラマの進行も前へ前へとエネルギッシュに進み、観ている人間を元気にしていく。ドラマの展開の希望を抱かせる。

音楽がドラマの進行に如何に影響を与えていくか、という見本のような楽曲が、米津玄師の音楽の世界であり、彼の音楽には常に映像がイメージに付き纏うと思った。