映画「コンフィデンスマンJP-ロマン編」のテーマソング。

動画の再生回数2億回再生突破(Billboard JAPAN史上初)である。

「Pretender」は「〇〇のフリをする人」という意味である。

 

ボーカリストの藤原聡の歌声は、少しハスキー気味。

小気味の良いリズムで縦刻みの音楽が前へ前へと繰り出される。

リズムの拍頭のアタックが綺麗に並ぶ。

使っている歌声は、ミックスボイスとウィスパーボイス。

さらに地声のチェストボイスが主流で、

最高音にファルセットを用いている箇所がある。

 

彼の歌声の特徴として、

ミックスボイスとファルセットを同じ最高音でも使い分けており、

それによってフレーズの色彩感を出している。

例えば、冒頭からのAメロでは、

ウィスパーボイスを多用することで、

メロディーラインを滑らかに表現。

言葉のタンギングも鋭くない。

それに対し、

「もっと違う設定で もっと違う関係で」で始まるBメロでは、

「もっと」のM音のタンギングをハッキリ発音することと、

「もっと」の「っ」をしっかり切ることで、

縦刻みのリズムを強調した歌い方にしている。

またウィスパーボイスが主流だったAメロに対し、

Bメロではミックスボイスを多用することで力強さを発揮している。

 

サビのフレーズでは、

長い音符にアクセントをつけて強くタンギングすることで、

長さを強調し、エネルギッシュに歌い上げている。

またそれと対称的にそれ以外の部分では、

ウィスパーボイスを使って語尾を抜いて歌うことで、

柔らかく声を着地させていく。

 

これらの多彩な歌声の切り替えが非常にスムーズに行われていく。

 

ウィスパーボイスの色彩の中に力強いミックスボイスが織り交ぜられることで、

声の色彩の濃淡の世界になっている。

 

これが彼の歌を魅力的にしている。

 

髭男の楽曲が多くの人に好まれる要因がこの曲からも伺える。