髭男の新曲「HELLO」をFNS歌謡祭で聴いた。

「目覚ましTV」のテーマソング。

 

昨年の「Pretender」以来、快進撃を続けている髭男の特徴的な音楽が詰まった一曲になっている。

 

 

リズミカルでポップな縦刻みの音楽だ。

前へ前へと音楽が進んでいく。

強い刻みの中で前へ前へと音楽を引っ張っていく。

この強いリズムが音楽全体を下支えして、強いメッセージを放っている。

 

覚えやすいメロディー展開で、特にサビからのフレーズの単純で非常に明快でわかりやすい。

中毒性の強いサビフレーズは、一度聴くといつまでも耳に残るフレーズになっており、髭男の音楽の魅力を余す所なく伝えている。

 

 

ボーカルの藤原聡の歌声は少しテクノっぽい響きの歌声だ。

中音域から高音域へと移ると声質が変わる。

歌の世界でよくいう「一枚皮が剥ける」状態になる。

声の転換が俗にいう一枚皮が剥けた状態になり、明らかに声質が変わるのだが、それが彼の魅力にもなっている。

ファルセットからのヘッドボイスを使うフレーズは一箇所だけで、あとは全てミックスボイスのフロントボイスで高音も押し通している。しかし、そういう歌い方をする歌手にありがちな「押しつけ感」は彼の歌声からは全く感じられない。

 

刻みの強い引っ張りと同じように彼の歌声も音楽を前へ前へと引っ張っていく。

 

「こんにちは、と言うよりは、新しく始めるという意味で作った」と彼が言うように、1日の始まり、新しい始まりに相応しい一曲になっている。