この曲は彼がライブ中止に伴って始めた自宅からの生歌配信の企画である「1Song Home Live」の13回目に自ら作詞を行い、UTA氏が曲をつけ披露された曲の完成形である。

「これは人生 読めない未来

それでも Repeat

毎日 止まる事なく進んでいく…」

この言葉で始まり、繰り返される歌詞は、今のこの鬱屈とした閉塞感の心情を現している。

経済活動の再開と共に人々の交流が戻りつつあるが、音楽業界はまだ止まったままだ。

スタジオでの収録が僅かに始まったに過ぎず、そこに出演できるアーティストはほんの僅かであり、ほとんどの音楽関係者は元の仕事に戻れないままで毎日を過ごしている。

 

「誰のものでもない君の物語

奪われてはいけない 全てが尊い…」

 

三浦大知の歌詞には音の世界を奪われてもなお、音楽の世界の中で自分の活路を見出そうとする強い意志が込められている。

 

彼の音楽には強いメッセージはあっても悲壮感はない。

彼の音楽の本質である「音楽は楽しいもの」というブレない軸がこの歌にも込められている。

だからこそ、彼の音楽を聴くと、自然とリズムを取りたくなり、元気になる。

これは彼の音楽の本質が明るく楽しいものであるからに他ならない

 

前へ前へと進んでいくリズムと縦刻みのリズムの中で彼の力強く甘い歌声が響く。

この歌にはかつてないほどの強い意思が感じられ、全ての歌声がエネルギッシュに響く。

 

 

コロナの収束は全く見えない。

 

昨日は全国の感染者数が100人を超え、再び増加傾向にあることが示された。

そういう中で、それでも音楽を紡いでいこうとする姿勢に彼の本質的な強さを感じる。

 

コロナでの自粛期間。

この期間にそれぞれのアーティスト達がどれほど音楽に真剣に向き合ったか、それが試される日が必ずやって来る。

今までと同じようにすることは求められていない。

新しい形、新しいスタイル、新しい歌声、新しい音楽。

時代の流れの中で音楽と向き合い、変化を決断した人間だけが今後は残っていくだろう。

エンタメ業界とそれに携わる人間は根本的な変化を求められている。

誰がどのように自分の音楽と真剣に向き合ったのか。

その結果が試される日も近い。

 

人生は誰のものでもない。

君のものなのだ。

 

そう彼は語りかけている。