Uruの「奇蹟」を聴いた。
Uruは、2013年から活動中の女性歌手で、多くのカバー曲を歌っているが、昨年「コウノドリ」の主題歌「奇蹟」を歌ったことで認知度が上がっている。
年齢も本名も出身地も非公表。過去には、バンドで歌っていたという情報が僅かにあるばかりだ。
楽曲のフルバージョンと、オフィシャルのショートバージョンの動画を貼り付けた。
彼女の歌声は、非常に繊細で、透明感に溢れている。
「奇蹟」は、彼女の声の長所を余すところなく発揮出来るメロディー展開になっている曲である。
ヴォイスチェンジなく頭声の綺麗な響きの歌声が、どの音域でも披露される。
低音域から、中音域、高音域まで単色の綺麗な一本の声が弧を描くように歌われる。
単色でありながら、言葉の一つ一つのタンニングが、優しいにも関わらず、きちんとアタックされているために、聴衆の耳にきちんと届く。
また、ブレス音を少し混ぜて歌われる部分では、甘い響きが存在する。
後半、音域がさらに上がる部分では、彼女の高音部は、さらに細い響きとなって、綺麗に披露される。
混じりけのない響きは、十代の少女の歌声に感じるほど若々しい。
このように響きが細く、綺麗な歌声の持ち主は、えてして、美声だけに頼りがちになるが、彼女の場合は、決してそうはならないのは、細い響きの中に一本綺麗な芯の通った響きが存在するからにほかならない。
美声であってもうわべだけの軽い歌にならないのは、多くのカバー曲を歌うことで、どんな楽曲をも単なるカバーではなく、自分の歌声の色に染め抜いてきたスタンスだからとも言える。
彼女の場合は、カバー曲を歌ったものをYouTubeで多く配信し、先ず、自分の歌声を披露するというところからの出発だった。
その為に、非常にどのカバー曲も歌いこまれ、彼女の歌声の色に染め抜かれている。
「奇蹟」は、彼女の透明感溢れる歌声で、楽曲のイメージがさらに清楚なものになった一曲と言えるだろう。