NHKの「SONGS」を観た。
途中で涙が止まらなくなった。
なぜなら、そこには彼女達4人の芹奈に対する気持ちが溢れていたからだ。
芹奈が休養に入って数ヶ月、4人のハーモニー世界は「声が減る」という話を書いたことがあるが、昨夜のハーモニー世界は完全に成立していた。
それは4人のハーモニーとして完全に成立しており、そこにはリトグリの真骨頂である「立体構造」「多重構造」の世界が完全に具現されていたからだ。
4人になってからの各メンバーの歌声は以前にも増して非常に力強い。
そこには、彼女達がそれだけの訓練を積んできた姿を感じる。
5人で作り上げていたハーモニーを4人で再現するのは、容易なことではない。しかし、最近の彼女達のハーモニーは、4人であることを感じさせない。それぐらい一人一人の声の響きが充実しており、成熟した歌声になっている。
今回、彼女達はレパートリーの中から以下の曲を歌っている。
「世界はあなたに笑いかけている」「好きだ。」「だから、ひとりじゃない」「OVER」「I Feel The Light」「ECHO」「足跡」「VIVA」「Dear My Friend feat.Pentatonix」「いつかこの涙が」
この中で私が印象に残ったのが、やはり「VIVA」と「いつかこの涙が」だった。
この2つの曲は、現在は4人でのハーモニーでバランスの取れた世界を構築しているが、ここに芹奈が加われば、さらに立体的で幅広い多重なハーモニーの響きの世界が作り上げられていくのを感じる。
彼女達はこの1、2年で急速に上手くなった。
彼女達の最大の強みは、一人一人の絶対音感である。
この絶対音感は、どんな曲でも揺るぐことがなく、リトグリのハーモニーを作り上げることが出来る。
普通、コーラスグループは、ハーモニーを作る相手とアイコンタクトをしながら歌う。
そこには相手の音に合わせるという感覚が無意識に働くから、アイコンタクトを取るのである。
例えば、少しでも相手の音が低めに出たり、高めに出たりすることがあれば、そこに合わせてハーモニーを作っていく必要がある。
しかし、彼女達の場合、横一直線に並び、一切アイコンタクトを取らなくてもハーモニーは非常に正確だ。
これは、必ず相手がこの音を取ってくる、という絶対の信頼感の元に成り立つ世界でもある。
それぐらい彼女達の音程は正確であり、それはどんな時も変わらない。
さらにたとえ、仮に、少しの狂いが生じても残りのメンバー全員でハーモニーをカバーし合うということによって、正確なハーモニーを作り出していく。
これは非常に高度なテクニックを要する物であり、いつもどんな時でもハーモニーを作り出して来た相手への信頼の現れだと言える。
グループでセンターを取る人間がいないということは、グループ自体が揺るぎかねない状況だが、8年以上の彼女達の友情は揺るぎなく、メンバー一人一人が芹奈の帰ってくる場所を守り抜くという強い決意の現れのようなハーモニーを展開しているのが、今のリトグリである。
彼女達の活躍を精一杯応援したいし、これからも見守りたい。
なぜなら、リトグリは、世界にただ一つの存在なのだから。
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