Mattのデビュー曲「予想もつかないstory」を聴いた。

今まで何度か彼が伴奏したピアノを聴いたが、非常に「歌心」のある人だと思った。

「歌心」

即ち、歌手の息遣いや歌い癖に合わせるのが非常に上手い。そういう人は、きっと歌を歌っても上手いんだろうと予想はついた。しかし、実際の彼の歌を聴いて、正直、非常に意外だった。

それは彼の歌手としての才能に非常に優れたものを感じたからだ。

 

「予想もつかないstory」は自作曲だ。

英語と日本語がうまくミックスされた歌詞構成になっている。自然な発音の流れで二つの言語が組み合わされた歌詞だ。

彼の日本語と英語の言葉を使い方を見ると二つの言語が彼の中で全く同列なのを感じる。さらに英語の発音のポジションで日本語も発音されるため、歌声が非常にスムーズで綺麗に流れている。

 

彼の歌声は繊細で透明感が高い。また音域が広く低音部から高音部までのブリージングもスムーズだ。ミックスボイスからヘッドボイスへの転換もスムーズに行われる。

何より一番歌手としての可能性を感じたのは、癖のない歌声だった。

 

彼の生き方や表現をみると、彼が自分軸で生きているのがわかる。

繊細で優しい歌声の中に自分というものをしっかりと主張した音楽作りをしている。

 

歌手として初出演のMステではさすがに緊張から、声の伸びを若干欠いた歌声になっていたように思う。

しかし彼の持っている音楽の本質は十分、発揮されていたと思う。

 

彼が今後、どのように自分の音楽の世界を作っていくのか、非常に興味深い。