明るいアタックの効いた前向きの歌だ。

声はパンチではなく、アタックが効いている。言葉のエッジのアタックが鋭く、歌詞の一つ一つが非常に立っている。

また歌声は明るくどこにも屈託がない。

綺麗に音の粒が揃えられており、響きもうねりが全くない。

これほど綺麗な屈託のない響きの氷川きよしの歌声を私は記憶しない。

「大丈夫」も確かに明るく元気のいい歌声だが、全体に響きに混濁があり、それが甘さだと言えばそうなのかもしれない。

しかし、この曲には、響きの混濁が全くなく、気持ちの良いほどスッキリ爽やかなのである。

これが42歳の歌声とは思えないほど、若々しい歌声である。

 

この曲には彼の気持ちの混濁がないのだろう。

スッキリ爽やかに、後ろを振り向かず、前を向いて歩いていく。

何の後悔もない。自分らしく生きていくんだという迷いのない自信に満ち溢れた気持ちが、そのまま歌声の色に現れている。

様々なタイプの歌手がいるが、氷川きよしは、その時々の心情がそのまま歌声の色に現れる歌手なのだということが、この曲を聴いているとハッキリわかる。

 

自分らしく生きることを決断してよかったね、と笑顔で一緒に歩いていきたい気持ちになる。

そんな歌だった。