Ayumu ImazuはZ世代のアーティストとしてダンスナンバーも踊れるシンガーソングライターとして将来が期待されているアーティストの1人です。
現在23歳。
14歳の時からダンスやボーカルを勉強する為、アメリカニューヨークに3年半留学。
2021年に「東京2020オリンピック・パラリンピック」の成功を目指す「チームコカ・コーラ」の公式ソングプロジェクトに参加し、配信シングル『Juice』をリリースしてメジャーデビューを果たしました。
彼の強みはなんと言っても、ダンスと音楽の一体化したパフォーマンス。
ブルーノ・マースの姿に非常に憧れたという彼は、ダンスも踊れ、歌も歌えるグローバルなアーティスト像を目指していると言えます。
今回リリースされた『ATARI』は、発売前に彼のSNSに順不同の文字とあみだくじが描かれたイラストが投稿されており、そのあみだくじを紐解くと今回の楽曲である「2023714ATARI」という文字が浮かび上がってくるという趣向が施されていました。
これは、あくまでも私見ですが、この曲を聴くと様々な音楽の影響を受けているように感じられます。
グローバルな音楽の統合というか、どちらかといえばJ-POPというよりはK-POPのリズムを強く感じさせる部分もあります。
非常にリズミカルな音楽であり、メロディーだけでなく、そこに乗せていく言葉のリズム、そして彼の歌い方にも既存のJ-POPにはない言葉の乗せ方を感じさせるものがあります。
歌い方も言葉を切ってリズミカルに歌うことで音楽のリズムを強調した作りになっています。
ところが、アミダクジという日本古来のものを歌詞に入れ、合いの手に入れることで、一気に和風の雰囲気を醸し出すという手法が使われており、和風と洋風の一体化というものを感じさせます。
非常に新鮮で面白く、彼の中では、J-POPもK-POPも、さらにはR&Bなどの洋楽も全て一直線上に並ぶ音楽として吸収されているということを感じさせました。
Z世代と呼ばれる10代から25歳ぐらいまでの世代の特徴として、インターネットが当たり前に普及した中で育ってきた特徴が作り出す音楽にも表れているということが言えると思います。
そのため、音楽に関しても、CDなどの現物を目にし、購入してきた世代と違って、配信によるデジタルコンテンツによる音楽の取得というものが当たり前の環境の中で育ってきています。
そういう世代にとっては、洋楽、J-POP、K-POPというジャンルの区別を超えて、どの音楽も一律に捉えられる環境が備わっており、ジャンルごとの区別というよりは、自分の感性に合ったものを選んでいく傾向が見られます。
彼が作り出す音楽も非常に様々なジャンルの音楽のリズムを抵抗なく取り入れ、ナチュラルな音楽に作り替えていくという傾向がこの曲の特徴として見えてくると言えるでしょう。
彼の作り出す音楽は、デジタルコンテンツによる配信の進む現代で、「見せる音楽」という形を取り入れた新しいJ-POPのあり方を示しているように感じました。
今後が注目されるアーティストの1人です。