三浦大知の新曲「ALOS」を拝聴した。

この曲は、JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)が2006年に打ち上げた陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)をイメージした曲で、シリーズ衛星のイメージソングとのことで、同時に彼がシリーズ衛星の応援アンバダサーに就任したということも発表された。

楽曲は、作曲をUTAと三浦大知、作詞が三浦大知というもので、この楽曲を聴いた時、私は彼がまた新しい世界を提示してきたと感じた。

楽曲はR&Bの王道的なリズムの楽曲だが、バックに歌声を被せてくるところが何ヶ所もあり、これがメロディーとは全く違うリズムで音楽を刻んでくる。

単にメロディーを追いかける、歌声を下支えする、ハーモニーをつけてメロディーに厚みを出す、というポジションを逸脱し、完全にバックコーラスは別の音楽、別のメロディーを刻んでくる。

このコンポーズの仕方が非常に面白いと感じた。

 

彼の歌はまた進化した。

この楽曲ではヘッドボイスの細く尖った透明感のある響きの歌声と、中音域の甘いミックスボイス、そしてソフトで幅広い響きの低音部と、3つの歌声が交互に現れ、その対比の色彩の違いが見事だ。

彼の歌声を満喫出来る1曲になっている。

歌唱のテクニックがさらに進化した。

 

三浦大知は、いつも変化し、進化し続ける。

『燦燦』でバラードのしっとりした歌声を披露したかと思えば、今回は、歯切れの良い尖った響きの歌声の連続だ。

 

彼は今年、どんな進化を遂げるだろう。

風の時代と共に、決して同じ場所に留まらない彼の音楽の世界を今年も楽しみたい。

 

三浦大知は若手アーティストの中で、非常に独自の世界と進化を続けていると思います。

彼の音楽の世界から感じる可能性について、いずれ書いてみたいと思います。