CNBLUE ヨンファとジョンヒョンの歌声

リクエストがあってCNBLUEの曲をいくつか聴いてみた。

ヨンファとジョンヒョンの歌声がプロの目から見てどう感じるか、というリクエストだったからだ。

CNBLUEの存在はもちろん知っているが、実際に曲を聴いたことはなかった。

第一印象は、ちょっと意外だった。

なぜなら、もっとパンチの聴いた歌声のグループだと思っていたからだ。

ヨンファの歌声は少しハスキー気味で響きが混濁している。

韓国人特有の喉を少し横に広げた平坦な響きだ。

声帯を扁平な形に広げ、力で押しているように感じる。

直線的な響きの歌声で、ビブラートはそれほど強くなく、時折顔を覗かせる。

高音部は、ファルセットで抜くことが多く、細い響きの歌声になる。

ファルセットにしない表声の高音は、直線的で響きが尖っている。

それに対し、ジョンヒョンの歌声は、低音部ではソフトで幅がある。甘く色目の濃い低音だ。

中音域から高音部になると、色が消え、ストレートボイスの色彩の薄い音になる。高音はやはりファルセットで抜き、その声は非常に細い。

韓国語の曲も何曲か聴いたが、日本語の曲と韓国語の曲とで、歌声の色調は変わらない。

韓国語の発声ポジションで日本語も歌っている。その為、音色や音質は変わらず、韓国人特有の音色を感じる。

二人の音色が異なる部分は低音部で、中音域から高音域にかけては、非常に似通った音質になる。

そのためにハーモニーをつけても、幅の広がりを感じるだけで、奥行きの深さや高低の広がりは感じられない。

非常に統一した音色の中でのハーモニーの一体感を感じさせる。

二人ともフロントボイスではない。

韓国人は相対的に声帯が強く、響きで歌うより、力で押すタイプが多い。

彼らには、そこまでの強靭さは感じないが、やはり韓国人歌手の典型的な歌い方の一旦は感じる。

最近は兵役の影響もあって、ソロアルバムなどに移行しているようだが、もっと激しい色彩の歌声を想像していたので、ちょっと意外だった。