大野智VocalReview「TWO」

リクエストを頂いて、嵐の大野智の「TWO」を聴いた。

嵐のファンでない私は、申し訳ないことに彼の歌声を初めて聴いたのだった。

ただ嵐のメンバーの中では彼の歌唱力が秀でているということは耳にしていた。だから、彼がどのような歌声なのか非常に興味があった。

非常に伸びやかで甘い歌声である。

この曲はテンポ感のいい楽曲。

彼の歌声は非常に縦刻みの音楽に対して、なだらかで横に流れていく。

どのフレーズも十分に伸ばされた音が小節を跨いで横へ伸びていく。

そんな印象を持つ歌声だ。

この曲は中音域を中心に作られており、それほどの高音もなければ低音もない。即ち、この音域が彼が一番得意としている音域ということなのかもしれない。

甘く鼻腔によく響いた歌声だが、フロントボイスという印象はなく、元々の地声が彼の場合、甘く鼻腔に響いているのではないかと思う。ストレートボイスではなく、ビブラートが全体に存在する。但し、響きの混濁はなく、またハスキーでもない。非常に艶のある色彩の濃い歌声という感じがする。たっぷりとしたブレス音が鼻腔に響いている。

曲中、一箇所、高音のロングトーンのアカペラの箇所があるが、どこまでも綺麗に伸びていく歌声を披露している。

これが彼の歌声の特色であると感じた。

こうやって聴いてみると、他のメンバーには申し訳ないが、嵐の歌声は彼の歌声の色が強いと感じる。

ユニゾンで歌った場合の嵐の音色は、彼の音色の印象に近い。

彼が歌声の中心に存在していることは間違いないと感じた。