GreeeeNの作ったオリジナル曲。

以前、「あなたの好きな氷川きよしの曲を教えて下さい」というアンケートをブログで行った時、多くの人のリストにこの曲が入っていた。

甘い中音域の歌声が中心の歌だ。

JPOPの特徴である言葉数が非常に多い。彼にとってはどちらかと言えば低音域になる音域での言葉の羅列は、声のコントロール力が要求される。

また比較的ゆったりとした音楽の流れの中で、言葉を羅列していかなければならない作業は、言葉のリズム感を要求される。

これに対し、彼は、発声ポジションを一定に保ち、声を微動だにさせない。一本の音の線の上で言葉を処理していく。

そういう手法で歌っている。

彼にすれば、すっかりJPOPの曲が歌いこなれた喉には、この曲は少し物足りないぐらいの感覚なのかもしれない。

 

3年前?(と彼が?をつけながら話していた)にこの曲を歌った時、彼は今の自分の立つ位置を想像していただろうか。

「ボヘミアン・ラプソディ」まで歌いこなす彼は、演歌は一つのジャンルであって、彼の全てでないことを物語っている。

しかし、ここまでの転身をその頃、予想していただろうか。

「20周年を迎えてこの曲の良さがわかった」と彼は話した。

歌詞の一つ一つがまるで今の彼の転身を後押ししているかのような言葉だ。

 

後半、転調して音域が上がると、彼の鳴りのいい歌声が顔を覗かせる。

伸びやかに自由に歌い紡いでいく歌声には、ジャンルの枠から解き放たれてなお、歌い続けれる喜びに溢れているように思う。

 

最後のヴォカリーズを思い起こさせるかのようなハイトーンボイスのメロディーは、ヘッドボイスでカーンと音が気持ちいいほどに抜けている。

コンサート、歌い続けて、2時間半。

昼の部も入れれば約5時間以上歌って最後から3番目にこの曲を歌える彼には、バイタリティーと歌手としての底力を感じる。

 

力強い歌声が印象的だった。