井上芳雄のトートと京本大我のルドルフによる「闇が広がる」を聴いた。
京本大我の歌は、夏のFNS歌謡祭でライオンキングの「愛を感じて」を昆夏美とデュエットしたので初めて聴いた。
その時もしっかりとした歌唱力を発揮したが、今回もベテランの井上芳雄を相手に一歩も引けを取らず、堂々と自分の音楽を提示しているところが素晴らしい。
井上芳雄のトートは、抑え気味の声で歌い始める。響きを縦に固定することで暗いトートのイメージを作り出している。
それに対して京本大我のルドルフは若くまっすぐな印象だ。ストレートボイスで歯切れの良い歌声だ。
彼の歌声は芯のある響きでこの曲の主流である低音部もしっかり歌えている。
二人の歌声のハーモニー部分は、対立的なメロディーだが、それぞれの音楽性を発揮し合っており、どちらかがどちらかに合わせるというよりは、二つの音楽がしっかりと表現し合うことで融和性を保っていると感じる。
夏の歌謡祭の時にも感じたが、アイドルグループのメンバーとして歌う顔とミュージカル俳優として歌う顔を使い分けていくことで、京本大我の歌唱力は一段とアップするに違いない。
アイドルとミュージカルという両輪を持つことは、歌手京本大我の強力な武器になる。