三浦大知が、今年のレコード大賞最優秀歌唱賞を受賞した。
「最優秀歌唱賞」は、歌手であるなら一度は手にしたい賞の一つではないだろうか。
最優秀歌唱賞とは、今年、多くの歌手の中で最も優れた歌を歌っているという歌唱力に対する評価の賞である。
この歌唱力というものは、アーティストの肝になる部分であり、歌手として非常に優れている、と認められたということになる。
ある意味、レコード大賞よりも、歌手にとっては、自分の歌手としての実力を最高の形で認められたことになり、非常に価値のあるものと言える。
その賞は、今年、三浦大知の歌った『燦燦』に与えられた。
優れたダンサーであり、優れたパフォーマンス力を持つ彼が、バラード曲である『燦燦』で歌の実力を認められたというところに、大きな意味があると感じる。
『燦燦』は彼が作詞した楽曲で、亡くなった彼の祖母を思って作った歌だという。
いつも彼に対して「大丈夫」という言葉と共に大きな安心を与えてくれていた存在である祖母は、この楽曲のジャケット写真に祖母の帯の柄を使うほど、彼の中で大切な存在として、今もなお生き続けているのがわかる。
その祖母への思いが、この歌を歌う彼の歌声を非常に素直で伸びやかに、そして優しい音色にしていく。それはまるで幼少期の彼を「大丈夫」という言葉で優しく包み込むかのように。
三浦大知は、近年、非常に歌が上手くなった。
その上手さは、『燦燦』のようなバラード曲で特に顕著だ。
しっかりとした芯のある歌声は、ふらつきもなく、非常に伸びやかだ。
そして、どんな場所でもどんな場面でも、非常に安定した落ち着いた歌声を披露している。
歌声の響きの充実感が実に素晴らしい。
彼の楽曲を200曲以上、レビューしてきて思うのは、発声を変えてからの彼の進化だ。
特にコロナ禍の数年の進化は素晴らしく、彼がコロナ禍でも弛まず、自分の歌に向き合って精進し続けてきた結果が、この楽曲で一気に花開いた、という印象を持つ。
『燦燦』は三浦大知の代表曲になったのである。
これで彼はダンスチューンだけでなく、歌一本でも勝負できる歌手であることを内外に示した。
来年のツアーが楽しみだ。
こんな仕事をしていると、ライブに行って疲れることもある。
そんなとき、文句なく、心底、楽しめる空間をいつも提供してくる彼のライブは、私の唯一の癒しの時間でもある。
来年、また、三浦大知に会いに行こう。
大知識人の1人として元気を貰いに 笑
心から笑顔になれる。
そんなアーティストの1人だ