たったひとりのアーティスト、たったひとつの曲に出会うことで、人生が変わってしまうことがあります。まさにこの筆者は、たったひとりのアーティストに出会ったことで音楽評論家になりました。音楽には、それだけの力があるのです。歌手の歌声に特化した分析・評論を得意とする音楽評論家、久道りょうが、J-POPのアーティストを毎回取り上げながら、その声、曲、人となり等の魅力についてとことん語る連載です。

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今回は今年デビュー21年目を迎え、新しい境地を開いている中島美嘉を扱います。J-POPの世界で、数少ない女性アーティストであり、デビュー当時から圧倒的存在感を放っていた彼女独特の世界観や、人物像、これまでの軌跡を辿ってみたいと思います。

単なる音色を超える、「言葉による声の音色」

歌手中島美嘉の魅力は、単に歌声にあるというより、彼女特有の日本語の処理の仕方と言葉による声色の変化に魅力があると感じます。

彼女の歌は、その歌い出しからのフレーズに特徴を持っています。
普通、楽曲はAメロ、Bメロ、Cメロなどがあって、それからサビに入っていきます。

多くの歌手の場合、A、B、Cメロよりもサビのフレーズの歌い方に特徴が出る場合が多く、リスナーも聴かせどころであるサビの歌声に、その歌手の魅力を感じて好きになる人が多いように思います。また、歌手自身もサビの部分に歌声のエネルギーを乗せて歌うのが常です。

ですが、私は中島美嘉という歌手の魅力は、サビの部分ではなく、サビ以外のフレーズの歌い方が大きな特徴だと感じるのです。

それは、彼女の日本語の処理の仕方にあります。言葉によって歌声の音色を変えていくことで、言葉自身に色を与えていくという歌い方です。

丁寧に並べられた音符の粒を差し出されるように

 

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中島美嘉『常に独自の光を放ち続ける存在』(後編)人生を変えるJ-POP[第15回]|青春オンライン (note.com)