新生リトグリがTHE FIRST TAKEで歌った『世界はあなたに笑いかけている』を聴いた。

『世界はあなたに…』は、この楽曲でLittle Glee Monsterというグループが一気に多くの人に認知された代表曲だ。

この楽曲のサウンドは、CMに使われたこともあって多くの人の耳に今も残っているサウンドであり、リトグリというグループの実力を的確に表していた楽曲の一つとも言える。

この楽曲を新しいメンバーで果敢に挑戦してきた、というところに、メンバーによってサウンドが変わっても、楽曲はあくまでもLittle Glee Monsterというグループのものであって、メンバーのものではないということを示したと感じた。

1つのグループのメンバーが大きく変わる、分裂する、ということは、どこにでもありがちな現象で、未来永劫、同じメンバーでグループ活動を続けていく、という方が、「音楽」という自由な表現を扱っている人間にとっては難しいものだろうと思っている。

なぜなら、人の気持ちは、精神の成長に従い変わっていくもので、その変化によって人間関係や思考も変化するのは当然のことだからだ。

ただ、これがいわゆるアイドルグループというものであるなら、卒業という名前の元、メンバーが変わっていくのはそれほどの影響を与えないかもしれないが、ボーカルグループというもの、ボーカルのサウンドを売り物にしているグループにとって、メンバーが脱退することは、即ち、そのサウンドが終わったことを意味し、どんなにメンバーを入れ替えたとしても2度と同じサウンドは聴けないことを意味している。

そういう点で、残ったメンバーだけでかつてのサウンドを続けるのか、または、よく似た声質のメンバーを入れて、あくまでも耳慣れたサウンドというものを継承するのか、それとも新しいメンバーを入れて1から全く新しいサウンドを作り直すのか、は非常に難しい判断になると思う。

 

新生リトグリの場合は、この代表曲とも言える楽曲に果敢に挑戦してきたことで、新しいメンバーによる全く新しいサウンドの構築を1から始める、という道を選んだように感じた。

 

そういう意味でこちらも聞く必要があるのだろう。

その点から考えてみると、これは全くの私見だが、新生リトグリは、以前、感じていた多重構造という印象は少なくなったと感じた。

それよりは、ハーモニーグループという印象である。

その印象をなぜ抱いたのかという点は、今週末に実際に彼女達の生歌を聞いてから、もう一度、どのように自分が感じるのかを書いてみたい。

ただ、この印象は、新曲の『Join Us!』を聴いた時にも思ったもので、今回のこの曲を聴いても、私の中の印象は覆らなかった、と言える。

『Join Us!』の記事→https://note.com/hisamichi0226/n/n636fc23cf5ec

 

28日の彼女達の歌を実際に聴いてみて、自分がどう感じるのかは、私自身も聴いてみないとわからない、というのが正直な印象ということになる。

ただ、非常によく練習は出来ているし、新メンバーは旧メンバーのレベルによくついて行っていると言える。

この6人体制になって、サウンドが固定され熟成してくるには、しばらく時間がかかるだろう。

そして、この6人のサウンドが聴衆の耳に慣れ、固定化されるのにも時間がかかる。

グループのサウンドというものはそういうものであり、特に既存の曲を歌われた時の違和感は致し方のないものであるということも承知しておいた方がいい。

そういう意味で、かつてのリトグリとは全く違うグループになっているという気持ちで拝聴した。

28日を楽しみにしている。

 

28日のレビューは有料記事で配信になると思います。

私自身の立場や音楽評論家というポジションの影響力を鑑み、内容的には深く掘り下げた内容になると感じますので、そのような形で配信することになると思います。