あー、やっぱりライブはいい!!!

そう単純に思った。

文句なく楽しかったし、歓声も掛け声も何もなくても、ライブ感が十分伝わった。

観客と彼女達の一体感、熱量がそのまま画面を通して伝わってきた。

1月27、28日に日本武道館で開催したコンサートの配信は、昨年、初めて観た彼女達の配信ライブとは全く違う様相を観せた。

次は、彼女達の生のコンサートを観にいこう!!

そう思った。

 

 

コロナ禍の中、コンサートを開催するのには、非常な勇気がいったと思う。

もちろん、彼女達を含め、スタッフ、そこに関わる全ての人達が非感染であることが最低条件である。

それでもどんなに注意していても感染者が出て多くのライブが中止に追い込まれている中、無事に開催できた事を本当に素晴らしいと思う。

ライブの火は、決して絶やさない。

そういう彼女達の強い決意が、このライブを無事に終了まで導いたのだろう。

 

何度も何度も葛藤があったのだということが、彼女達の口ぶりからもわかるように、コロナだけでなく、芹奈を欠いたリトグリが、コンサートを開催していいのか、というもう一つの葛藤も彼女達にはあったということもよくわかる。

それでも「4人のハーモニーを届ける」「4人だからこそ出来るハーモニーの世界を」

そこに気づいた時から、リトグリのハーモニーの世界は成立していたに違いない。

 

5人のハーモニーを4人で作るのではなく、最初から4人のハーモニーに作り替える。

こういうことが出来るところに彼女達の強さがある。

 

ハーモニーは全曲を通して文句なかった。

私は自分自身がアンサンブルの6人のボーカルグループで歌っていた経験から、ハーモニーを作る楽しさも大変さも体験している。そして、メンバーが欠けた時の大変さも活動期間の中で何度も経験した。

それでもそれは一時的に喉の調子が悪かったり、風邪を引いたりという単純なもので、彼女達のように長期間、メンバーが欠けるというものではなかったにしても、それは大変だった。

なので、彼女達が「歌うパートが増えたり、新しく4人でハーモニーを作るということ」がどれほど大変なことなのかということはよくわかる。

それを彼女達はライブ自体を開催するかという葛藤を抱えながらも短期間にここまでの高いクオリティーで仕上げてきたというのは流石というほかない。

これが出来るのは何度も書くように彼女達の力がそれぞれ拮抗しており、しっかりとした基盤を持っているということの証明になった。

 

そして、応援歌の多い彼女達のレパートリーだが、それだけでなくMANAKAの提案で実現した2人ずつのデュエットは、声帯的に完成されつつある大人のハーモニーの音色や表現力が示されたようで、彼女達のハーモニーが次の段階に入ったのを感じた。

声帯は、個人差があるが、男性では25歳前後、女性は22、3歳前後で肉体的には完成されることが多い。

そこからはいわゆる成熟期に入って行くことが多く、さらに30代後半になれば加齢との戦いが始まる。

肉体の器官を使う「歌」では、そこは避けて通れない部分であり、器官的な成長と共に歌い方や表現力を変えて行くことが必要になるが、その基盤は、若い頃、どれぐらい歌い込んでいるか、テクニック的なものを身につけているか、が基盤になりやすい。

彼女達には、ぜひ、長く歌い続けて行って欲しいし、30代、40代にどのようなハーモニーを作り出して行くのかということも非常に興味がある。

そのためにも20代の今が非常に大事な時期になる。

そういう点で、4人でも活動を続けて行くという体験は、彼女達にとっても、戻ってくる芹奈にとっても貴重な体験になるに違いない。

 

「人生には、上り坂と下り坂、ま坂がある」というMANAKAの言葉が、最後に胸に残った。

 

まさかを乗り越えたリトグリは、さらに進化するだろう。

今後が楽しみである。

 

 

個人的に、昨年から「ま坂」の連続の私は、「人生はいつ何が起きるかわからない」という事を体験中。

読者の皆様に良いご報告が出来るよう、精進して参りたいと思います。