ほんの3月前まで私は自分が音楽の業界の人間になるとは想像もしていませんでした。

単にブログに音楽の記事を書いていただけの人間でした。

「書く」ということが好きで、この10年、ブログを書き続けてきました。

 

最初のブログはある歌手のファンブログでした。

多くの人がファンブログを書いています。「〇〇さん、好き」「〇〇さん、カッコいい」

私のブログはちょっと変わったブログでした。

「好き」とか「カッコいい」とかはどこにも書いていなかったからです。

 

ブログを書き始めて数日後、私はあるブログに出会いました。そこにはその歌手の歌についてのことがたくさん書かれていました。

私はそこに感想を送りました、自己紹介も兼ねて。

音楽をやっている人間だからとても感動した、と書いたのです。

すると返事が来ました。

「レビューコンテストに原稿を出しませんか?」

それが私の「書く」ということの始まりです。

たまたまコンテストで第一位になったこと。

これが私の「書く」ことの始まりです。

 

そうやって私はファンブログを7年書き続けました。

その間には様々なことを経験しました。ネット社会の洗礼をたくさん受けました。

ある時は、ブログをハッキングされて、アカウントごと削除され、それまで書いてきた記事を全て失いました。

ブログを書いて5年目のことです。

それでも書き続けてこれたのは、読者の方が私のブログ記事を保管してくださっていたから。

書き手の私が保存もしていないような記事を読者の方が大切に保管してくださっていたのです。そんな人が何人も連絡をくださって、データを提供して下さいました。

そうやって私はブログを再開することが出来ました。

 

3年前にそのブログを辞めてファン社会を抜けました。

ファンを辞めたわけではありませんでしたが、人間関係のいざこざに疲弊したからです。

私には「書く」ということだけが残りました。

 

私には「書く」ということと「音楽」しかありませんでした。

好きな音楽について書きたいと思ったのが今のブログを書くきっかけです。

いろいろな歌手の歌について書きたい。

そういう軽い気持ちで始めたブログでした。

自分の立つ位置を明確にしたかったので、音楽ライターとプロフィール欄には書きましたが、単にブログに書いているだけのブロガーだったのです。

 

でも人生はわかりません。

そんな私が音楽ライターとして日本の音楽評論家集団であるミュージック・ペンクラブ・ジャパン(以下MPCJと表記)に所属することになったのです。

こんなことを書けば、MPCJのは方々に叱られそうですが、私はほんの3ヶ月前まで、MPCJのMの字も知らずにいました。そんな私がMPCJに所属することになり、明日、東京で開かれる総会に出席します。

もう既に私の書いた原稿は6月からMPCJのHPに掲載されていますが、正式な任命は明日の総会での承認を経て、ということになっています。

 

そう、私は明日から正式に音楽業界の人間になるのです。

今まで批評される側で音楽を奏でていた人間が批評する側の人間になるのです。

人生って本当にわかりませんね。

 

MPCJにはFMのDJやプロデューサー、またフジテレビグループの代表取締役など、音楽界の重鎮が数多く所属しています。そうでなくても日本で唯一の音楽評論家の団体で、非常に権威があり、皆さん、とてもプライドをお持ちです。

 

ほんの数ヶ月前まで、自分の人生には絶対に登場しなかったであろうこれらの人達と私は明日出会うのです。

来週はレコード会社の方とも出会います。

 

業界のことを何も知らない人間があちこちに頭をぶつけながら、これから多くの人に教えて頂いて、業界の端くれに名前を連ねることになります。

 

 

「たくさんの人に紹介するから名刺を多めに持ってきて下さいね!」

 

そう言われて、私は急遽、音楽ライターとしての名刺を作りました(笑)

 

 

これから、普通の人間が音楽ライターになっていく様子をここで書いていきたいと思います。

もちろんレビューも書きます。ライターとしての務めですから。

 

 

 

もう一度、言います。

 

人生は何が起きるかわかりません。