氷川きよしは上手い。それは当たり前の評価だと思う。
誰もが彼の歌唱力を評価する。
彼が上手いのは当然だ。だから今さら書くまでもない。
それでも上手い、上手いと思った。
XJAPANの「Rusty Nail」
ロックは「魂の叫び」だ。
ロックを歌うには「魂」
氷川きよしの歌には、「魂」がある。
歌手の「魂」
これがない歌は、どんなに声が綺麗でも、どんなに歌が上手くても、人を感動させることは出来ない。
反対に少々、声が掠れたって、歌が下手でも、「魂」を持つ歌は人の心に届く。
だから、皆、ロックを歌いたがる。
氷川きよしは着実に進化していると思う。
確かに「サバイバー」を歌い始めた時は意外だった。
演歌からJPOPへと転換した頃は、低音部にある演歌特有の唸りが気になった。
また、音節の語尾の最後まで響きに力を入れる歌い方は、演歌の歌い癖が抜けていないことを感じさせた。
クイーンの「ボヘミアン」を歌ったときは、ロックに対する気負いのようなものを感じた。
大曲を自分の中に取り込み、自分の色に染め上げることが未消化の部分があった。
しかし今夜の氷川きよしの歌からは、それらの影が消え、すっかりJPOPの大曲を自分のものにしている余力を感じさせた。
「魂の叫び」がそのまま彼の心の叫びとなって歌に反映されている。
もうテクニックも声もすっかりJPOPのロック歌手だ。
氷川きよしは着実に進化している。
そして、彼はJPOPというジャンルをすっかり自分のものにしている。
彼の歌には「魂」を感じる。
氷川きよしは、すっかりJPOP歌手になったのだと思った。